Tokyo

12/13 (金)

芝大門 更科布屋

創業 寛政3年(1791年)

洗練された“江戸そば”に日本の四季を託して

「更科布屋」のある芝大門は、江戸幕府将軍家・徳川家の菩提寺である増上寺の近く。江戸時代には譜代大名の屋敷も多くありました。また、東海道にも近いため商人も多く、「武士・寺・商人」が揃った希少なエリア。お店の前の道は増上寺大門をくぐって増上寺へと続いています。

更科布屋のそばは4種類。そば粉8割・小麦粉2割の黄金比率で、のどごしがよい「二八そば」(もり600円/ざる730円)、芯の部分だけを贅沢に使った“そばの大吟醸”「御前更科そば」(800円)、北海道から宮古島まで全国の産地を時季に応じて使い分けることで、本来は初秋の楽しみである新そばをほぼ1年中楽しめる「生粉打ち」(850円)、更科に季節の食材を入れた「変わりそば」(850円)です。中でも変わりそばは、江戸時代からの家伝の味。これまでに生まれたレシピは80を超えるそうです。お店の前にはその日食べられる「生粉打ち」のそば粉の産地や季節限定メニューなどが張り出され、入る前から四季を感じられます。

麵は“江戸そば”。殻から中身を取り出す技術が江戸で発展したことで、現在食べられているような、色が薄くてなめらかな長くのびる麵の形になったため、こう呼ばれます。また、味を左右する粉は「人の手による石臼製粉」を再現した独自の方法で製粉しています。臼の回転数からふるいの目の大きさまで細かく決めることで、そばの実一粒一粒の持つ風味をすべて引き出しているのです。

そばに合わせる汁は、本醸造の醤油と鰹節のだし汁、砂糖、本味醂だけを使った濃厚な甘口。汁づくりは代々、当主がみずからの仕事とする、いわば“一子相伝”の味です。7代目ご当主の金子栄一さん自身も、子どものころから先代や先々代のそば汁やだし汁を毎日口にし、目と舌で味を覚えながら育ったといいます。

「いつも変わらぬものを笑顔で出してください」というのは先代の言葉。金子さんはその言葉を大切にし、味は絶対に変えてはいけないものと考えています。「長年の間には、そばの産地や醤油や鰹など材料の味が変わることもあり、季節や気候によってだしの出かたも違いますが、お客様の口に入るときには“更科布屋といえばこれ”と感じる味に仕上げています」。いつも変わらぬおいしさと気持ちのよいおもてなしで迎えてくれるお店です。

沿革History

そば打ちの名人でもあった信州の反物商・布屋萬吉が創業した「更科布屋」。江戸への行商の際、領主の上屋敷で領主に腕前を買われ、商売替えを勧められたのがきっかけでした。寛政3年(1791年)、薬研堀(現在の東日本橋)に「信州更科蕎麦処」として開店。元数寄屋町(現在の中央区)を経て、4代目が切り盛りしていた大正2年(1913年)に増上寺門前・大門通りに移り、お店の名前も「更科布屋」になりました。創業から230年以上、現在のご当主・金子栄一さんは2003年から務める7代目。企業とのコラボレーションなどや江戸文化の発信などにも積極的に取り組み、時代に合わせて進化し続けています。

金子栄一さん

更科布屋 布屋萬吉こと7代目ご当主

伝統の味わいを通して粋な江戸文化を感じてほしい

天ぷら、寿司、うなぎと並ぶ江戸食文化の雄、そば。当店では季節感も大切にお出ししています。周辺には都内最大の前方後円墳・丸山古墳や、歌舞伎『め組の喧嘩』の舞台となった芝大神宮、東京タワーなどの名所も多いので、ぜひ観光もお楽しみください。

注目のこの逸品Pickup

三色そば

1,000円

純白の更科そばに季節の食材を打ち込む「季節の変わりそば」。食材の色はもちろん味や香りも際立った仕上がりです。身体を温める唐辛子(1月)や春の訪れを感じる桜(3月)など、15種類を1〜2種ずつ、月替わりで出しています。「三色そば」は、その変わりそばと「御前更科そば」「生粉打ちそば」を一度に楽しめる人気のひと品です。

穴子

1,200円

二八そばに穴子の天ぷらをのせた温かいそばで、昔あったメニューを30年ほど前に復活させたもの。穴子は江戸前の食材として古くから親しまれた食材のひとつです。更科布屋では、江戸時代から味のよさで知られた東京湾・羽田沖の穴子を使っています。穴子の旬は梅雨の時季ですが、こちらでは1年を通じて味わうことができます。

スポット概要Outline

住所 東京都港区芝大門1-15-8
アクセス 都営地下鉄浅草線・大江戸線大門駅A6出口よりすぐ、JR山手線・京浜東北線・東京モノレール浜松町駅より徒歩3分
電話 03-3436-3647
営業時間 平日11:00~21:00(L.O.20:40)、土曜11:00~20:00(L.O.19:40)、日曜・祝日 11:00~19:00(L.O.18:40)※平日は16:00〜17:00中休み、土日祝は通し営業
※コロナ禍の各種警報によって時間変更の場合あり
定休日 1月1日〜3日
支払い方法 現金‏(宴会はクレジットカード可)
外部リンク
公式ホームページ
座席数 76席
予約可否 ディナーのみ予約可

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