日本の美しい伝統文化の象徴であり、時を超えて愛されてきた着物。自分だけの特別な一着をあつらえる初めての着物づくりを取材、完成までをシリーズでお届けします。
女将に教わるはじめてのおあつらえ着物
東京都港区虎ノ門にある丁子屋。
江戸中期より続く創業225年あまりの歴史ある老舗呉服店です。
モダンなしつらえの店内にはシックな着物や和装小物がディスプレイされています。
今回着物を作るのは、静岡県で会社を経営する成田さん。
もともと、日本の伝統文化に関心の高かった成田 裕之さんは、友人の紹介で、ここ、丁子屋を訪れました。
今回は、フォーマルな場面で着られる羽織と着物を誂え、合わせて必要な小物まわりも揃える予定です。
丁子屋 六代目女将の小林 絵里さんに、着物の種類や反物について色々教えてもらいながらどんな仕立てにするか決めていきます。
お洒落な人は脱いでみて初めて人にわかる羽裏(羽織の裏地)にこだわるもの、との話を聞いて、「せっかく作るなら人と違った個性も出したい」とイメージが湧いてきます。
豊臣秀吉が陣羽織に用いていたという富士山のモチーフが、出世運の験担ぎとして人気だそうです。
まずは、着物カラーコーディネートの資格をもつ小林さんによるカラー診断で、似合う色を見つけていきます。
丁子屋では、これまで着物に馴染みのない方にも和の文化に親しんでほしいという思いから、アガタジャパンとの共同で「着物クロッシング」というサービスを立ち上げました。
女将の小林さんが「おあつらえコンシェルジュ」として、一人一人にぴったりの着物を提案してくれます。
例えば、明るさや鮮やかさが異なる何通りものバリエーションがある色の世界。
その人の肌や髪の色によって似合う色が違います。
最も肌馴染みの良い色合いを選び、4つの分類のうちどのタイプに当てはまるか見ていきます。
どのカラータイプかがわかったところで、今度は、同じ色でもどんな色味が似合うのか、布を当てて顔うつりを確認します。何色も比べていくうちに、しっくりくる色がわかってきました。
仕上がりのイメージがふくらんできたところで、生地の地紋を選んでいきます。
生地の模様によって、できあがる着物の表情も変わってきます。
丁子屋では、これまでに手がけた着物のハギレを大量に保管しています。
関わったお客様とのご縁の数でもあります。
長年の歴史で積み重ねた財産です。
生地と色が決まり、このあとは染色をオーダーします。
さて、どんな仕上がりになるでしょうか。
次回は、体型に合った着物を仕立てるための採寸を行います。
続きをおたのしみに。
着物クロッシングとは
agataJapanが老舗呉服店 丁子屋と共同で展開する着物の総合サービスです。 「キモノをキラクに」をコンセプトに、着物を気楽に取り入れる・着て楽しいキモノ暮らしをご提案します。 お仕立てから保管・運用、コミュニティまで大切な着物をフルに活かすお手伝いをいたします。
申し込みは老舗通販.netから
https://shinisetsuhan.net/collections/kimono-crossing