甘辛く煮た油揚げに寿司飯を詰めたもの。江戸時代後期にはすでに誕生しており、当時の文化を記す『守貞漫稿』にも登場する。「いなり」の語源には諸説あるが、毎年2月に全国の稲荷神社で五穀豊穣や商売繁盛を祈願する初午祭で『稲荷神』に捧げるお供え物にあり、稲荷神の使いであるキツネの好物が油揚げだったという説が有名。もともとキツネはネズミが好きだったが、殺生を避けるために豆腐の油揚げが備えられるようになり、これも好物になったという。ネズミの油揚げが好物だったことから豆腐の油揚げも好きになったとも言われる。いなり寿司の形は、東日本では米俵に見立てた俵型、西日本ではキツネの耳に見立てた三角型が主流だ。
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