刀身の側面、刃と棟の間を縦に貫く、山高くなった筋のこと。この線を「鎬筋」と言う。鎬を施した刀は、刃が薄く、軽くなる。これにより切れ味が鋭くなり、戦においても扱いやすい刀剣となる。 このような鎬の技術は、戦での攻撃の形の変化により生み出された。もとは鎬のない直刀で「突く」攻撃が中心だったが、太刀を振り回して「撫で切る」攻撃に変わっていったため、前述のような刃の鋭さや軽さを求められるように。全体を薄くすると折れやすくなるが、鎬によって厚い部分を残すことで折れにくい頑丈さも保てる。 ちなみに、互いの鎬線が触れ合うほど接近して斬り合うことから転じて、激しく争う様を「鎬を削る」と表現する。
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