江戸の郷土料理を作り続けて118年。明治時代から続く桜なべの老舗
歌川広重の「名所江戸百景」の1つに描かれている吉原・日本堤エリア。かつて吉原遊廓が近くにあったことから、歓楽地として賑わっていたこの地では、割り下に味噌ダレを隠し味にして馬肉を煮た「桜なべ」が名物でした。昼食はもちろん、遊郭へ繰り出す前の腹ごしらえや夜食としても親しまれていたそうです。
そんな桜なべを、明治時代から人々に提供し続けているのが「桜なべ中江」。東京メトロ三ノ輪駅から土手通りを歩くと見える木造の建物は、国の有形文化財に登録されています。おすすめはもちろん、極上馬肉を使用した桜なべ。九州・久留米にある「このみ牧場」で飼育された純国産の馬肉は中江専用で、身にたっぷりの脂を蓄えているのがポイントです。またこだわりは、冷凍ではなくチルド状態で産地から直送してもらっている点。本来の旨味を損なわないようにするために必要なことなのだそうです。
かつては日本堤エリアに20軒以上あった桜なべのお店。しかしいまこのエリアに残っているのは中江だけとのこと。伝統と歴史を感じられる建物で、美味しい桜なべを堪能してみてはいかがでしょうか。