池波正太郎も愛した江戸前の手打ちそば
11時の開店前から行列ができる、神田の老舗そば店。手打ちにこだわり、熟練した腕を持つ職人がローテーションを組んで、毎日そばを打っています。その回数は、大晦日などのイベント時には200回以上にもなるのだそう。
北海道、秋田、青森、長野など、季節ごとに厳選した地域から仕入れたそば粉をむらなくのばし、均一の太さに切っていきます。ゆで加減にも気を配り、ゆであがったそばは冷水できゅっと締める。そば本来の香りや甘みを最大限に活かすため、職人たちは日々鍛錬を続けています。食通としても有名な小説家・池波正太郎もその味の虜となり、足繁く通っていたことは広く知られているエピソードです。
関東大震災後に建てられた店舗は、当時の家具やインテリアをそのまま残していて、一歩足を踏み入れるだけで古き良き時代へとタイムスリップしたかのよう。下町の風情を感じながら昔ながらの江戸前そばがいただけるとあって、常連から一見さんまで、店内は常に賑わっています。