福岡県の博多地域で作られる人形で、素焼きした粘土に着色して仕上げている。浮世絵や能、歌舞伎などから現代の風俗まで、その題材は幅広い。発祥は、戦国時代。関ヶ原の戦いがあった1600年、福岡藩の初代藩主となった黒田長政の筑前入りに同行した多くの職人が、現在の博多人形の礎をつくったといわれている。江戸時代の後半には多くの名工が生まれ、その優美さから全国に流通するようになった。今でも博多の街を歩けば、そこここに博多人形師の技や思いを感じることができる。また、博多の夏の風物詩、博多祇園山笠の飾り山と登り山を飾る、木や竹、和紙、布などを材料とする細工人形の制作には博多人形師があたり、彼らのもう一つの重要な仕事となっている。
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