正月に食べる半円型のもち菓子。丸くのした白い求肥の内側に、菱形のピンク色の薄いもちと白味噌あん、甘く煮たゴボウを包んで作る。菱葩もち(ひしはなびらもち)とも呼ばれる。この由来は、平安時代の宮中の儀式「歯固め」から。新年に長寿を願い、押鮎(新年の祝いに用いた塩漬けの鮎)や味噌をもちで包んだ「宮中雑煮」を食べる習わしがあり、これが後に菓子となって宮中で食べられるようになった。ゴボウは押し鮎の代わりで、菱形なのは正月のもちの形の名残。明治時代になると、裏千家が初釜の菓子として出すようになり、全国の和菓子屋に広まったとされる。
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