酒造りの職人のこと。また、酒造りの全てを指揮する総責任者、酒造りの職人集団の長を「杜氏」と呼ぶ。語源は、中国で初めて酒をつくった杜康(とこう)の名をとったとする説、奈良平安時代に造酒司が酒造に用いた壺を「大刀自(おおとじ)、小刀自(ことじ)」と呼んだことから、酒をつくる人をも刀自(とじ)と呼ぶようになった説、酒造りを担うのは神々に仕える女性達で、それを束ねる年かさの女性を「刀自」(とじ)と呼んでいたことが由来する説などがある。杜氏の出身地は全国に分布し、南部杜氏、越後杜氏、丹波杜氏など、出身地によりいくつもの集団名が存在する。また、杜氏の出身地によって酒造りの技法は異なる。
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