花柳界を見られる年に一度の貴重なチャンス
幕末に興った新橋花柳界。新橋は、芸の一流を街の目標に稽古を重ね、芸処となります。京、大坂の芸者の歌舞練場に倣って、大正14年に新橋芸者の晴れ舞台として建設されたのが、新橋演舞場。杮落としである新橋芸者の公演「東をどり」から、その歴史が始まりました。
普段は、“一見さんお断り”の花柳界ですが、年に一度、誰でも気軽に料亭の酒肴や芸者衆の踊りを楽しめる貴重な機会が「第九十八回東をどり」です。今回は、花柳流の若き家元五代目花柳壽輔が初めて総合演出構成を担当を担います。「季(とき)めぐる新ばし」 と題し、序幕は趣が異なる2つの踊り、西川左近、尾上菊之丞、二流派の家元が振付けて格調高く幕を開けます。休憩を挟み二幕目では花柳壽輔の振付けによる演目が披露され、春夏秋冬そして新年と巡るテンポの良い展開。花柳流の伝統、華やぎの踊りを堪能。そして暗転に始まる東をどりならでは不偏のフィナーレへと続きます。
幕間には東京を代表する料亭が味を競う酒肴や日本酒を楽しめます。また、オリジナルの土産処や料亭による点前の披露も。芸者と料亭がひとつになり、新橋演舞場が大料亭になる東をどり。日本の綺麗な芸や粋がここに集います。