忠臣蔵ゆかりの商品が並ぶ老舗和菓子店
和菓子店といえば女性客が比較的多いなかで、男性客、特にスーツ姿のサラリーマンが行列をなす、新橋の老舗和菓子店。
彼らのお目当ては、「切腹最中」です。3代目・渡邊仁久さんが2代目から引き継いだ当時、一番の人気商品だった「豆大福」の消費期限は1日。「もう少し日持ちする和菓子が欲しい」という常連客からの要望に応えて考案したものです。最中の真ん中がパカッと開き、中からたっぷりの餡があふれ出ている見た目と、忠臣蔵をモチーフにしたユニークなネーミングが話題を呼び、今では「お詫びするときに持って行く手土産」としても知られる新正堂の看板商品になりました。
そのほかにも、移転前の店舗の場所が忠臣蔵ゆかりの地であり、店主自身も大ファンだったことから、忠臣蔵の四十七士を武者絵で描いた「義士ようかん」や、「陣太鼓どら焼き」など、歴史好きの心をくすぐる商品が揃います。閉店すると店頭のロールスクリーンに現れる四十七士の絵柄も注目です。
創業当時からの伝統を大切にしつつも、新しい発想でさらなる美味しさを追求する。「伝統は変えて繋げる」の精神で、新正堂の和菓子はこれからも進化し続けます。