Tokyo

11/21 (木)

梅花亭 深川店

創業 嘉永3年(1850年)

注目は70年ぶりにリニューアルした深川店

成田山深川不動尊の仲見世通りにある和菓子司「梅花亭 深川店」。古くからある建物が多く建ち並ぶこの一画で、2021年12月にリニューアルオープンしたばかりの明るくモダンなデザインの外観が目を引きます。

「お客様に気軽に立ち寄っていただけるように入口の扉を大きく開けて、外から店の奥まで見通せる開放的な空間をつくることにこだわりました」と話すのは取締役の望月実千さん。
「敷地が細長いので、狭さを感じさせないように各所に工夫を凝らしました。奥の喫茶スペースは片側の壁を全面鏡にすることで、倍の広さに感じられるようになっています。瓦屋根が鏡に映り込むことで、まるで2階建ての古い家屋が店の奥に建っているようにも見えるんですよ」

店内を装飾する瓦や木材は、旧店舗で使われていたものを一つひとつ取り外して移設したのだそう。テーブル席の足元には、年季の入った板(2階窓の手摺)が入山札をイメージした形で埋め込まれていたり、頭上には可愛らしい雀のオブジェがあったりと、遊び心溢れる空間になっています。

今回70年ぶりとなるリニューアルの指揮をとった望月さんは、長年イギリス系金融関係の仕事をしていましたが、2016年にシンガポールより帰国し、高齢の母に代わって店を切り盛りするようになったのだそう。
「まったく別業種の仕事を経験してきたからこそ、この小さな店に立った時に、梅花亭ならではの良さが見えてきたんです。大量生産できなくても機械化したりアウトソースすることなく、とことん手づくりにこだわるのがうちのやり方。たとえば名物のどら焼きは一度に9枚しか焼けないのですが、手間と時間を惜しまずに一つひとつ愛情を込めてつくることが大切だと考えています」

喫茶スペースでは店で扱っている全ての商品が味わえるほか、ここだけのオリジナルスイーツも用意されています。

沿革History

岐阜出身の初代が徳川家康公の御用御金(札差し)として江戸に入府。嘉永3年(1850年)に「梅花亭」として大伝馬町にて菓子司を創業しました。新しもの好きだった初代は、当時まだ珍しかった西洋菓子の手法をいち早く取り入れるなど、数々の独創的な菓子を生み出してきました。初代が発案した「亜墨利加饅頭」は、西洋人が作る焼き菓子をヒントにパン釜で焼いたもので、栗饅頭の祖と称されています。また、2代目は銅鑼の形をした「銅鑼焼」を生み出しており、どら焼きのルーツとして知られています。

中央区新川の本店、小伝馬店、深川店の3店舗があり、商品はすべて本店の工場で職人の手によってつくられています。

望月実千さん

梅花亭 8代目ご当主(取締役)

伝統と革新が融合した店内で、和菓子をお楽しみください

リニューアルした深川店は革新的でありながら古き良きものを大切に作り上げました。暖簾の文字もそのひとつ。芸術に造詣が深かった6代目の中村達三郎が書いたもので、お菓子に添えるしおりの絵も6代目によるもの。お不動様の参拝帰りにお立ち寄りください。

注目のこの逸品Pickup

どら焼き

1個240円

どら焼き発祥の店として知られる梅花亭。一時期はどら焼きの製造をやめていたものの、復活を望む声に押されて平成10年に再登場。生地の中に落とした餡玉を箸で掬い上げて銅板で焼き上げるという特徴的なつくり方で、1枚皮の生地に餡がギュッと入っています。少し温めてバターをのせるのもおすすめだそう。

梅もなか

1個180円

梅花亭の名前からとった梅の花をイメージしたもなか。もともとは丸い形をしていたもなかを、昭和9年に6代目がふっくらとした梅の形に変えたのが始まりです。ぽってりと厚みがあって中には餡がぎっしり詰まっています。餡は、白こし餡、黒こし餡、つぶし餡の3種類。かわいらしい見た目で、お土産にも喜ばれる一品です。

老舗概要Outline

住所 東京都江東区富岡1-13-10
アクセス 東京メトロ東西線・都営地下鉄大江戸線門前仲町駅より1分
電話 03-3641-3528
営業時間 10:00〜17:00
定休日 年中無休
支払い方法 現金・クレジットカード・電子マネー
外部リンク
オンラインショップ
公式ホームページ

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