Tokyo

12/22 (日)

江戸鼈甲屋

創業 享和2年(1802年)

店全体から伝統工芸品へのこだわりが伝わる鼈甲専門店

江戸時代から参拝・行楽の地として栄え、いまも亀戸天神、東京スカイツリーなどの人気スポットを訪れる人で賑わう亀戸。その街の一角に、経済産業省指定の伝統的工芸品・江戸鼈甲(べっこう)専門のお店「江戸鼈甲屋」はあります。

鼈甲とは、カリブ海、インド洋の海域に生息するウミガメ「タイマイ」の甲羅を加工してつくられたもの。1枚の厚さが非常に薄く、つくる際は何枚もの鼈甲を重ねるのだそう。重ねる鼈甲の種類によって柄に違いが生まれるため、出来上がった商品は常に唯一無二のもの。

それだけに、鼈甲商品は完成までに多くの日数を要します。また店舗から徒歩10分ほどの距離にある「石川べっ甲製作所」でつくられるそれは、使用する鼈甲の種類や部位、お客様の要望によって工程も細かく変わるとのこと。「お客様が満足してくださる商品をつくるためには、一つひとつの工程を大切につくり上げていきます」と7代目・浩太郎さんは語ります。

また鼈甲商品に対する熱い想いは販売方法にも現れており、江戸鼈甲屋では卸売業者や小売店を通さず、つくり手がお客様と直接繋がるようにしています。この試みは、現当主の浩太郎さんの代から始めたこと。「店頭に並ぶ商品から選んで購入いただく際も、鼈甲にかける思いや完成までのプロセスをつくり手から直接伝えて、納得して買ってもらいたい」、「オーダーメイド希望のお客様ともつくり手が直接話して、より納得していただけるものを作りたい」という強い思いが秘められているのだそう。

店内のしつらえにも、お客様にさまざまな伝統工芸に関心をもってもらいたいという想いがこもった工夫が。輪島塗りや江戸組子が施されたカウンターテーブル、漆喰で塗られた壁、さらには「お店が1000年続くように」という願いのもとに設置された屋久杉を使用した大きな柱型のショーウィンドウなどにも、お店を訪れたらぜひ注目してみてください。

沿革History

享和2年(1802年)、日本橋馬喰町に江戸鼈甲を用いた和装小物を作る会社「石川べっ甲製作所」を設立。売り手ではなくつくり手として始まり、問屋からの受注生産を中心に220年もの歴史を紡いできました。6代目・石川英雄氏は、鼈甲業界で唯一「現代の名工」に選ばれた伝統工芸士であり、息子の石川浩太郎さんが7代目を受け継いだのは平成15年(2003年)。そして平成23年(2011年)、亀戸に石川べっ甲製作所の直営店「江戸鼈甲屋」をオープンしました。

石川浩太郎さん

江戸鼈甲屋 7代目ご当主

ひとつとして同じものができないのが鼈甲商品です

江戸鼈甲屋では、唯一無二の鼈甲時計や鼈甲のフレームでできた眼鏡など、さまざまな鼈甲商品を販売しています。オーダーメイドをご希望の場合も、お客様が理想とする商品をご提供できるよう、つくり手が直接お客様の想いをしっかりと伺ってから製作しています。すべてはひとつとして同じものができない鼈甲商品でお客様を後悔させないためです。自分へのご褒美に、または大切な人への贈り物に、ぜひ一度江戸鼈甲屋にお越しください。

注目のこの逸品Pickup

鼈甲時計

文字盤の周りやバンドの部分に鼈甲を用いた時計です。6代目・石川英雄氏がアイデアを生み出し最初に着手しました。鼈甲時計の特徴は軽さ、馴染みやすさです。プラスチックの時計よりも軽く、時計をつけたときの重さをほとんど感じません。

また鼈甲の特性により、バンドの部分はゆっくり時間をかけて付けている人の腕に馴染むため、付ける機会が多いほど心地よさが増します。ちなみに鼈甲は動物性の素材なので金属アレルギーで時計が付けられない人も安心。店頭に並んでいるものから選ぶこともできますが、オーダーメイドでつくることも可能。これを機に自分だけの鼈甲時計をつくってみては?

老舗概要Outline

住所 東京都江東区亀戸2-36-10
アクセス JR総武線、東武鉄道亀戸線亀戸駅より4分
電話 03-3636-3595
営業時間 10:00~19:00
定休日 毎週火曜
支払い方法 現金・クレジットカード・電子マネー(交通系ICカード)・QRコード決済
外部リンク
オンラインショップ
公式ホームページ

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