千駄木で140年以上愛されるせんべい店。名物は伝統の四角いせんべい
かつて江戸の将軍・徳川家康に仕えた武家や大名の屋敷が置かれ、いまも街並みに古き良き時代の風景が残る千駄木エリア。この地で明治8年(1875年)から店を開き、140年以上せんべいを販売し続けているのが「菊見せんべい総本店」です。団子坂下の柳通りに入ってすぐのところに見える、大きな丸い看板と木組みの間口が印象的。
店頭に並ぶ商品を見て、まず目を引くのがせんべいの形。ほとんどが四角い形をしています。初代店主・天野六五郎氏が中国の宇宙観「天円地方」をもとに、「この地に住む人にせんべいが広く愛されるように」と願いを込めて四角く仕上げたことが始まり。その製法は、現在店を切り盛りする5代目・天野善之さんにも受け継がれています。
また、原料へのこだわりも創業時から受け継がれています。お米は厳選された国産のうるち米を、醤油は創業400年を越える千葉県銚子の醤油会社のものを使用。伝統ある醤油のしっかりとした味と香りが、米の味をより一層引き立ててくれるのだそう。
お店のすぐ横、よみせ通りを抜けると昭和のなつかしさが漂う谷中銀座商店街が見えます。菊見せんべいを片手に、商店街を目指して歩いてみてはいかがでしょうか。