室町時代に造られた貴重な観音菩薩を展示
観音菩薩(かんのんぼさつ)は悩み苦しむ人々を救うため、相手や状況に"応"じて、"身"をさまざまに変化させて"現"れるとされ、その33の姿は「三十三応現身(さんじゅうさんおうげんしん)」と称されます。彫刻作品の遺例はあまり多くありません。今回の特集展示で紹介するのは、三十三応現身像のうちの1軀(く)で会津の法用寺(ほうようじ)旧蔵と伝わります。「梵王」という墨書があり、「梵王身(ぼんのうしん)」の像であることもわかります。
また、「日吉山王十禅師曼荼羅図(ひえさんのうじゅうぜんじまんだらず)」や「神護寺経(じんごじきょう)」なども展示します。「日吉山王十禅師曼荼羅図」は十禅師を中心に、本地仏(ほんじぶつ)や北斗七星を配しており、山王曼茶羅のなかでも個性的です。「神護寺経」は紺紙に金字で経文が書かれており、金銀泥(きんぎんでい)による見返絵も付された装飾経です。
その他にも多数の美術品が展示されており、少しめずらしい仏教美術を味わう事が出来ますので、間近でご覧ください。