世相とともに変わる「女性の服装」に注目
「ファッションは時代を映す鏡」という表現があるように、服装は時代の移り変わりと密接な関係にあります。昭和の激しい社会変化も例外なく、和装から洋装へ、家庭裁縫から既製服へ、特に女性の服装に大きな影響を与えました。
日中戦争が始まると、政府による国民精神総動員運動と物資不足が原因で服装も統制の対象となりました。終戦後も深刻な物資不足が続き、女性たちはおしゃれを楽しむ余裕はありませんでした。しかし、戦後、占領期にもたらされた新たな文化や女性の地位向上、経済統制が解除されるにしたがって、女性たちは次第に機能的な服装を選ぶようになり、昭和30年頃を境に、都市部では和装と洋装の着用率が逆転します。
本企画展では、昭和の世相とともに移り変わっていった女性の服装について紹介します。