植田正治ならではの写真による見事な「風景論」
日本を代表する写真家・植田正治氏の作品を展示する写真展。植田氏は生涯、生まれ故郷の山陰地方にとどまり、アマチュア精神に貫かれた遊び心と旺盛な実験精神で撮影した写真家です。独特の感性で創り出された作品は、時代や国境を超えて高く評価されています。
イベント名にもある「ベス単」とは、「ベスト・ポケット・コダック」という単玉レンズ付きカメラのこと。ベス単のレンズフィルターのフードを外して撮影することで、独特のソフトフォーカス(軟焦点)効果が得られます。
当イベントでは、その「ベス単」の撮影手法を改めてカラー写真で蘇らせた日本の風景写真シリーズである写真集「白い風」(1981年日本カメラ刊行)から、40点を展示。作品は、当時写真集を印刷するための入稿原稿として使用され、保管されてきた貴重なプリントで、写真展として公開されるのは今回が初めてです。