皇室に代々受け継がれた美術品を中心に82作品を展示
本展が開催される東京藝術大学は、前身である東京美術学校で岡倉天心が1890年に初めて体系的に日本美術史の講義を行った場所。以降、現在まで、芸術の教育・研究機関として重要な役割を担っています。本展では、皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などの美術品を収蔵する「宮内庁三の丸尚蔵館」の皇室の名品のほかに、東京藝術大学のコレクションもあわせて82件の作品を展示します。
藝大の所蔵品から出品されているものは、日本美術のさまざまな側面をご覧いただくにあたり展示内容をより充実させる作品であったり、特に明治以降の日本美術の学ばれ方、受け入れられ方や藝大が教育・研究機関として果たしてきた役割を垣間見られる資料が含まれています。皇室に献上する作品を、帝室技芸員であり東京美術学校で教鞭をとった作家が手掛けたものも多く、皇室も藝大も、それぞれの立場で日本の美術を保護、奨励し、発展させてきたという点で関連があります。
必見は、元寇の様子を描いた絵巻、国宝「蒙古襲来絵詞」など、昨年宮内庁三の丸尚蔵館の収蔵品として初めて国宝に指定された計5作品(展示替えあり)。日本の美術を保護、奨励してきた皇室に伝わる数々の作品を鑑賞できる貴重な機会です。