立春前日に災厄をはらい、一年の幸福を祈る伝統行事
立春前日に災厄をはらい、一年の幸福を祈る伝統行事「節分会(せつぶんえ)」。江戸時代、節分会を初めて大々的に行なったのは浅草寺だと伝わっています。現在の浅草寺で行われる節分会は、住職と選出された年男が伝法院から本堂まで列を組んで練り歩いた後、災難・厄難退散を願い、本堂東側に設けられた舞台の上から豆を撒きます。浅草寺では、「観音さまの前には鬼はいない」ことから、「鬼は外」とは言わず、「千秋万歳(せんしゅうばんぜい) 福は内」と言いながら豆をまきます。
その後、「七福神の舞」が奉演されます。観音様の福徳を讃えるための舞で、恵比須・大黒・毘沙門・弁天・福禄寿・寿老人・布袋の七福神に模した人が舞います。この舞の発端は、昭和39年(1964年)4月の宝蔵門落慶を記念して、端午の節句に奉演される「宝の舞」とともに、「福聚の舞」として始まりました。七福神の舞のほかに、浅草寺幼稚園園児による豆撒きや、「浅草観音文化芸能人節分会」といった行事も行われます。