「推し文化」の歴史を紐解き、観客の営みや声に迫る
好きな人やモノを応援する「推し活」。最近になって、使われるようになってきた流行語ですが、「推し活」は古くから行われていました。例えば、イギリスのシェイクスピア時代の演劇はパトロンの存在によって大きく発展したこと、また、日本では歌舞伎が庶民の熱烈な人気によって支えられ、江戸時代最大の娯楽となったことなどが挙げられます。今も昔も、観客のサポート・応援は、非常に大切です。「推し活」をし、支えてくれる人の存在により、優れた文化が生まれてきたのだといえます。
本展示は、幅広い視点から「推し活」に関する資料を紹介し、「推し文化」の歴史について紐解くというもの。各時代やそのジャンルで、どのような観客が存在し、どのように応援をしてきたのか。そして今、人々はどのような形で「推し」に向き合っているのかを探ります。製作者側からの視点ではなく、観客の視点に立ち、個々の観客の営みやその「声」をあぶりだします。