竹久夢二 生誕140年 幻の名画《アマリリス》公開!
「大正ロマン」を象徴する画家であり、詩人でもあった竹久夢二(たけひさ・ゆめじ)の生誕140年を記念して、最新の研究に基づく新たな視点からその生涯をたどります。
正規の美術教育を受けることなく、独学で確立した画風の「夢二式」と称される叙情的な美人画によって人気を博した夢二。
グラフィックデザイナーの草分けとしても活躍し、本や雑誌の装丁、衣服や雑貨などのデザインを手がけ、暮らしの中の美を追い求めました。
その作品は没後90年を経た今もなお多くの人々を魅了し続けています。
本展覧会では、このたび発見された大正中期の名画《アマリリス》や、滞米中に描かれた貴重な油彩画《西海岸の裸婦》、そして夢二を看取った友人に遺したスケッチ帖や素描など、初公開資料を含む約180点の作品を夢二郷土美術館コレクションを中心にご紹介します。
■夢二郷土美術館所蔵 幻の名画《アマリリス》公開!
長らく所在不明であった油彩画《アマリリス》が、近年の調査により発見されました。夢二の油彩画は現存するだけでも約30点と少なく、本展は、発見後、東京で公開・展示する初めての機会となります。また《アマリリス》に加えて、貴重な油彩画を多数展示し、これまであまり紹介されてこなかった油彩画家としての夢二の一面に迫ります。
■初公開のスケッチブックで晩年の夢二に迫る
夢二は、晩年の1931年から約2年間、欧米各地を巡る旅に出かけます。夢二は欧米滞在中の出来事を多数のスケッチとして残し、その一部は友人の手元に残されました。本展では初公開となるスケッチ帖を紹介します。
■邸宅空間で、夢二の作品世界を味わう
夢二は生涯を通じて芸術で人々の暮らしを彩ることに関心を向けました。本展の会場となる東京都庭園美術館の本館は、かつて朝香宮家の自邸であった場所であり、実際の生活空間に施された多彩な装飾が見所となっています。暮らしの中の美を体現する邸宅空間の中で、夢二の作品世界をご覧いただく貴重な機会となります。
■100年の時を超えて愛される夢二の魅力
1914年、夢二は自らデザインした封筒や千代紙をはじめとする文具・小間物類を販売する「港屋絵草紙店」を開店しました。商品の広告チラシには「可愛い」という言葉が用いられ、当時の女性たちの心をつかみ、憧れの的となりました。
時代を経ても色褪せない、竹久夢二の魅力を、ぜひご堪能ください。