浅草 どこにでもある材料を使って、唯一無二の美味しさを表現する。人形焼の老舗「木村家本店」のこだわり 人形焼浅草土産 浅草寺の目の前にある人形焼の店「木村家本店」。慶応4年創業の老舗で、「鳩、提灯、五重塔、雷様」の形をした人形焼が特徴的です。浅草の街で愛され続ける店はどのような歴史を歩み、これからも続いていくのでしょうか。文化事業家の齋藤健一さんとともに、木村家本店の木村淳さんにお話を伺いました。〜前編より続き〜齋藤さん:それでは、これまでのイノベーションの歴史をお聞かせいただけますか。木村さん:職人というのは頑固なもので、何かを変えていくということをまずしないんです。昔は大きなしゃもじで種を混ぜていて、それはもう大変な力仕事だったので、合羽橋道具街へ行ってミキサーを導入しようと説得したこともありました。齋藤さん:最初のリアクションはどういう感じだったのですか?木村さん:「そんな機械に任せてちょうどいい粘りが出せるのか」なんて言われるのですが、「大丈夫、ちょうどいいタイミングでスイッチを押せば止まるから」と(笑)。まずはそこからでしたね。それでだいぶ楽になったと思います。あと、ずっと同じ個数のパッケージで展開していたのですが、修学旅行のお客様の限られたお小遣いでも買えるようにと、4つ入りの小サイズ商品も作り始めました。箱のデザインにも凝ることで、また違った客層を掴めていると思います。そういう売り方を模索していくのも一つの手ですよね。齋藤さん:若い人に向けての商品展開もイノベーションの一種ですね。いろんな新しい取り組みをしていく中で、どういう形で話し合いをしているのでしょうか?木村さん:旅行先などで見かけた商品を参考にして、「うちでも取り組めないかな」みたいな会話をすることはよくあります。決定権は私にありますが、職人さん、販売員さん、家族の意見を聞きながら進めています。ありきたりの材料を独自に配合し、唯一の味を出す齋藤さん:材料の方は年月とともに変わっているのでしょうか?木村さん:ずっと同じものを出さなければいけないので、卵、小麦粉、砂糖などの材料はありきたりのものを使ってます。問屋さんに言えばいつでも手に入る材料ではありますが、そこから先の調合の妙でオリジナリティを出せるように頑張っています。齋藤さん:確かに素材だけ揃っていても美味しくはできないですからね。木村さん:難しい材料を使っていいものができたとしても、続かなくなっては意味がありません。なるべくすぐ手に入るありきたりのもので作ろうというのが昔からの発想ですね。齋藤さん:先代からは何かアドバイスはありましたか?木村さん:実はあんこは少しずつ変わっています。昭和初期の頃は肉体労働をしている方も多かったので、しっかり甘いものが好まれたらしいのですが、今は現代人の味覚に合わせて少しずつ糖度を落としています。生地の方は変わっていないですね。齋藤さん:子ども時代に祖母が浅草土産に人形焼を買ってきてくれたのですが、子どもながらにもかなり甘かったと記憶しています。人形焼以外にも色々な商品がありますがご紹介をお願いできますでしょうか。木村さん:人形焼だけでなく、瓦煎餅も数種類扱っております。浅草寺様の前で焼いていますので、卍を模した形になっているのが特徴です。木村屋本店の焼印が押してありますが、焼印も数種類持っておりまして、浅草のお寺などのお供物として納める仕事もしています。齋藤さん:人形焼の包装紙は少しずつ変わっているのでしょうか?木村さん:包装紙も箱の形もずっと変わっていないと思います。齋藤さん:こういったものを作られている中で、今後意識していくことはありますか?木村さん:浅草に似たような町で、また違う形の人形焼きを出してみたいというのはずっと考えていることなのですが、なかなか実行には移せていない状況ですね。林:インバウンドの影響はいかがでしょうか?木村さん:うちの場合は日本人が7〜8割で、中国やアジアの方の方が1〜2割くらいです。アジア圏の方は、人形焼を受け入れてくれるのですが、欧米ヨーロッパの方にとってはちょっと珍しい感じがするようです。今はインターネットで情報を見てこられるので、なんとなくわかってくれているようですが。林:インバウンドが戻ってきてこれからまた盛り上がってくれるといいなというところですね。齋藤さん:パッケージも含めていろんなチャレンジをしていますし、浅草寺に一番近いお店ですので、浅草観光の際にはぜひ木村本店さんに立ち寄っていただきたいですね。木村さん:私もたまに店に立っていますので、ぜひ見かけたら指差して笑ってやってください。どこでも手に入るような材料を使いながらも、独自の配合によってオリジナリティある味わいを生み出す木村家本店。それこそが同店のブランドイメージにつながっているのではないでしょうか。※この対談を動画で見たい方はコチラ あなたはどちら...? 行きたい999 興味あり999 関連する老舗Related Spot 買う 浅草 木村家本店 人形焼浅草の老舗浅草仲見世通り 買う 浅草 紀文堂総本店 人形焼浅草の老舗煎餅 一覧ページへ 同じエリアの老舗Same Spot 買う 浅草 常盤堂雷おこし本舗 お土産浅草雷おこし 買う 浅草 みす平總卸店 浅草神具神棚 食べる 浅草 神谷バー デンキブランバー 買う 浅草 舟和本店 みつ豆和菓子浅草の老舗甘味処芋ようかん 食べる 浅草 桜なべ中江 桜なべ浅草の老舗馬刺し馬肉 エリア一覧ページへ 老舗を探すSearch 検索する その他 浅草 向島・本所 日本橋 銀座 丸の内・八重洲 神田 上野・谷中・日暮里 飯田橋・神楽坂 お茶の水・湯島・後楽園 新橋・品川・お台場 麻布・赤坂・六本木 両国・亀戸 門前仲町・清澄白河 江戸川・江東 亀有・柴又 芝 渋谷・代官山 新宿・中野 目黒・世田谷 池袋・赤羽 大森・蒲田 吉祥寺・杉並 八王子・町田・府中 東村山・青梅・奥多摩 伊豆諸島・小笠原諸島 検索条件をクリア 検索する 食べる 買う 体験する 泊まる 検索条件をクリア 検索する 100年以上続く老舗のお歳暮・お中元・手土産をお取り寄せできる通販サイト 通販サイトへ 日本のよいものを世界へ Spotify YouTube Twitter Facebook Instagram TikTok キーワードから探すTag 寺社、仏閣 史跡、文化財 日本酒 着物 国府エリア 和服 散歩 蕎麦 伝統工芸 桜 更科そば 重要文化財 和菓子 春 お花見 日本刀 フォトスポット お祭り 浅草の老舗 日本美術 端午の節句 江戸 紅葉 伝統芸能 こどもの日 ひな祭り あんこ 日本庭園 佃煮 浴衣 コンテンツContents 江戸まちごよみ 江戸まちめぐり 私が選んだ逸品 エリア 食べる 買う 体験する 泊まる イベント情報 ライブカメラ 老舗ニュース まちめぐりガイド まちごよみ用語辞典 TOP ホーム 江戸まちごよみ 江戸まちめぐり 老舗ご当主・識者と歩く 東京文学散歩 古地図で江戸散歩 お祭りレポート 老舗レポート 私が選んだ逸品 食べる 買う 体験する 泊まる イベント 老舗ニュース まちめぐりガイド まちごよみ用語辞典 コラム 大人のマナー講座 季節の暮らし方 老舗ご当主インタビュー 老舗総合研究所 ライブカメラ サイトからのお知らせ 江戸まちツアー 江戸の老舗オンラインサロン エリア 浅草 向島・本所 日本橋 銀座 丸の内・八重洲 神田 上野・谷中・日暮里 飯田橋・神楽坂 お茶の水・湯島・後楽園 新橋・品川・お台場 麻布・赤坂・六本木 両国・亀戸 門前仲町・清澄白河 江戸川・江東 亀有・柴又 芝 渋谷・代官山 新宿・中野 目黒・世田谷 池袋・赤羽 大森・蒲田 吉祥寺・杉並 八王子・町田・府中 東村山・青梅・奥多摩 伊豆諸島・小笠原諸島 お問い合わせ よくある質問 このサイトについて サイトポリシー プライバシーポリシー Social フリーワードで検索Search キーワードから探すTag 寺社、仏閣 史跡、文化財 日本酒 着物 国府エリア 和服 散歩 蕎麦 伝統工芸 桜 更科そば 重要文化財 和菓子 春 お花見 日本刀 フォトスポット お祭り 浅草の老舗 日本美術 端午の節句 江戸 紅葉 伝統芸能 こどもの日 ひな祭り あんこ 日本庭園 佃煮 浴衣 MENU
齋藤さん:それでは、これまでのイノベーションの歴史をお聞かせいただけますか。
木村さん:職人というのは頑固なもので、何かを変えていくということをまずしないんです。昔は大きなしゃもじで種を混ぜていて、それはもう大変な力仕事だったので、合羽橋道具街へ行ってミキサーを導入しようと説得したこともありました。
齋藤さん:最初のリアクションはどういう感じだったのですか?
木村さん:「そんな機械に任せてちょうどいい粘りが出せるのか」なんて言われるのですが、「大丈夫、ちょうどいいタイミングでスイッチを押せば止まるから」と(笑)。まずはそこからでしたね。それでだいぶ楽になったと思います。あと、ずっと同じ個数のパッケージで展開していたのですが、修学旅行のお客様の限られたお小遣いでも買えるようにと、4つ入りの小サイズ商品も作り始めました。箱のデザインにも凝ることで、また違った客層を掴めていると思います。そういう売り方を模索していくのも一つの手ですよね。
齋藤さん:若い人に向けての商品展開もイノベーションの一種ですね。いろんな新しい取り組みをしていく中で、どういう形で話し合いをしているのでしょうか?
木村さん:旅行先などで見かけた商品を参考にして、「うちでも取り組めないかな」みたいな会話をすることはよくあります。決定権は私にありますが、職人さん、販売員さん、家族の意見を聞きながら進めています。
ありきたりの材料を独自に配合し、唯一の味を出す
齋藤さん:材料の方は年月とともに変わっているのでしょうか?
木村さん:ずっと同じものを出さなければいけないので、卵、小麦粉、砂糖などの材料はありきたりのものを使ってます。問屋さんに言えばいつでも手に入る材料ではありますが、そこから先の調合の妙でオリジナリティを出せるように頑張っています。
齋藤さん:確かに素材だけ揃っていても美味しくはできないですからね。
木村さん:難しい材料を使っていいものができたとしても、続かなくなっては意味がありません。なるべくすぐ手に入るありきたりのもので作ろうというのが昔からの発想ですね。
齋藤さん:先代からは何かアドバイスはありましたか?
木村さん:実はあんこは少しずつ変わっています。昭和初期の頃は肉体労働をしている方も多かったので、しっかり甘いものが好まれたらしいのですが、今は現代人の味覚に合わせて少しずつ糖度を落としています。生地の方は変わっていないですね。
齋藤さん:子ども時代に祖母が浅草土産に人形焼を買ってきてくれたのですが、子どもながらにもかなり甘かったと記憶しています。人形焼以外にも色々な商品がありますがご紹介をお願いできますでしょうか。
木村さん:人形焼だけでなく、瓦煎餅も数種類扱っております。浅草寺様の前で焼いていますので、卍を模した形になっているのが特徴です。木村屋本店の焼印が押してありますが、焼印も数種類持っておりまして、浅草のお寺などのお供物として納める仕事もしています。
齋藤さん:人形焼の包装紙は少しずつ変わっているのでしょうか?
木村さん:包装紙も箱の形もずっと変わっていないと思います。
齋藤さん:こういったものを作られている中で、今後意識していくことはありますか?
木村さん:浅草に似たような町で、また違う形の人形焼きを出してみたいというのはずっと考えていることなのですが、なかなか実行には移せていない状況ですね。
林:インバウンドの影響はいかがでしょうか?
木村さん:うちの場合は日本人が7〜8割で、中国やアジアの方の方が1〜2割くらいです。アジア圏の方は、人形焼を受け入れてくれるのですが、欧米ヨーロッパの方にとってはちょっと珍しい感じがするようです。今はインターネットで情報を見てこられるので、なんとなくわかってくれているようですが。
林:インバウンドが戻ってきてこれからまた盛り上がってくれるといいなというところですね。
齋藤さん:パッケージも含めていろんなチャレンジをしていますし、浅草寺に一番近いお店ですので、浅草観光の際にはぜひ木村本店さんに立ち寄っていただきたいですね。
木村さん:私もたまに店に立っていますので、ぜひ見かけたら指差して笑ってやってください。
どこでも手に入るような材料を使いながらも、独自の配合によってオリジナリティある味わいを生み出す木村家本店。それこそが同店のブランドイメージにつながっているのではないでしょうか。
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