Tokyo

12/25 (水)

うぶけや

創業 天明3年(1783年)

用途にぴったりの刃物に出合える専門店

使い手のこだわりに応えるものづくりを続けてきたうぶけや。切れ味を決める研ぎを手がけており、職人仕事が生み出す刃物の逸話には枚挙にいとまがありません。

明治の初め、東京に外国人居留地ができた頃、洋裁用裁ち鋏の依頼を受けてつくってみたところ、本場の切れ味をしのぐ出来栄えに依頼主が驚いたと言います。これが日本製の裁ち鋏の始まりと言われています。また、寄席などで披露される紙切り芸の名人であった初代林家正楽の紙切り鋏をつくったのもこちらのお店。昭和を代表する脚本家・エッセイストで料理好きでも知られた向田邦子も「よくいらっしゃって、ここで女将と話が弾んでいましたよ」。ミシュランが認める名店「すきやばし次郎」の包丁もうぶけや製です。時代を超え、一流の人に愛され続けているのです。

菱一紋の小ざっぱりとした暖簾をくぐって、毛抜きや糸切り用の和鋏といった小さなものから、包丁、裁ち鋏やキッチン鋏など大きな刃物までが多種多様に揃う店内へ。お店の方が教えてくれる使い方のヒントとともに、自分の用途にぴったりの刃物と出合えます。メンテナンスの確かさも客足が途切れない理由の一つ。店の奥の工房できっちりと研ぎ上げ、噛み合わせを調整し、「お分けした状態(お買い上げいただいた時の状態)にしてさしあげ」て持ち主のもとに戻ります。

関東大震災の後にあつらえたという総桑の商品棚や唐傘天井は今もそのままで、昭和50年に改築した際も建築当初の外観を再現。建築ファンや研究者からも熱い視線を集めています。

沿革History

天明3年(1783年)、大阪の新町橋橋詰(現・南船場)にて刃物を扱う店として創業。初代・㐂之助(きのすけ)の確かな仕事ぶりから生まれる刃物が「うぶ毛でも剃れる、切れる、抜ける」と評判をとったことから「うぶけや」を名乗るようになりました。1800年代に江戸の長谷川町(現・堀留町)に進出し、明治維新前に新和泉町(現・人形町)へ移転。現在に至るまで同じ場所で暖簾を守り続けています。

矢崎豊/大貴さん

うぶけや8代目ご当主/ご子息

一つひとつ責任を持って仕上げます

毎日使う道具だからこそ、使い心地の違いを実感していただけるのではないでしょうか。一つひとつ手仕事で仕上げますので、お客さまのご要望に合わせて調整いたします。お手入れもお任せください。

注目のこの逸品Pickup

食用鋏・キッチン鋏

食用鋏10,450円、キッチン鋏9,900円

皿の上で食べ物を切る食用鋏は、元は歯の弱いお客様のために芸妓が懐中に携えていたもの。餅やタコ、イカ、にぎり寿司の米粒まですっぱりと切れ、切ったあとの姿も美しい。離乳食・介護食にも便利と評判です。紙などもよく切れ、汎用性の高い商品で贈り物として人気。錆びにくい材質で作られたキッチン鋏も食材の切り分けからレトルトパックの封切りまで重宝します。

毛抜き 3mm幅

厚地毛抜き2mm、3mm、6mm各12,100円

わずかな光も通さない噛み合わせの緻密さで絶大な人気を誇る毛抜きは、創業当時からの大定番。「毛を抜くだけなのにこれほど違うとは」と初めて使う人はほぼ驚くという気持ちよく軽い使い心地。この商品を入口にうぶけやの魅力に触れる人も多く、美粧のプロのほか、2世代・3世代にわたって愛用するお客様も多いのだとか。

積層鋼製包丁

積層鋼製三徳包丁26,400円、積層鋼製ペティナイフ18,700円

家庭用包丁の中では、現代の生活環境にフィットする錆びにくく切れ味のよい積層鋼製の三徳包丁が人気を集めています。中でも刃渡りが17.5センチのサイズが人気。ペティナイフとセットで求める人も多いそう。切れ味が落ちてきたら研ぎ直しに出せば、購入したばかりのような状態で戻ってきます。

老舗概要Outline

住所 東京都中央区日本橋人形町3-9-2
アクセス 東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線人形町駅より2分、東京メトロ半蔵門線水天宮前駅より7分
電話 03-3661-4851
営業時間 平日9:00~18:00、土曜9:00~17:00
定休日 日曜・祝日
支払い方法 現金のみ
外部リンク
オンラインショップ
公式ホームページ
予約可否 予約不可

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