文豪・尾崎紅葉が愛し名付けた「江の嶋最中」が名物
芝大門の地で地元民から観光客までたくさんの人に愛されている和菓子店。土地柄文化人の来訪も多く、なかでも明治の文豪・尾崎紅葉が足繫く通ったと言われています。名物である「江の嶋最中」は紅葉によって名付けられ、商品名の文字も紅葉の直筆が採用されました。また、店頭の看板は、芸術家・岡本太郎によってしたためられたものです。
原料から配合、つくり方まで日々試行錯誤を続け、常により良い味を追求しているのが当代店主のこだわり。たとえばどら焼きは、卵・砂糖・小麦粉を1:1:1にした「三同割」が基本の配合でしたが、今の時代の人々には重く感じられるのではと割合を見直しました。先代から受け継いだ技術は守りつつも、時代によって変わる人々の味覚を鑑みながら、口にした人皆が「美味しい」と感じられるような和菓子をつくり続けています。
春は桜もち、夏は若竹水羊羹や白玉ぜんざい、秋には柿の葉もちや栗蒸し羊羹、冬は椿もちなど、店頭に並ぶ色とりどりの和菓子が、四季の訪れを知らせてくれます。