スイーツ好きの聖地。明治から続く神田の老舗洋菓子店
東京・神田に店を構える洋菓子屋。1Fが店舗、2F3Fは工房になっており、30人を超える製造担当のスタッフにより、すべての商品は毎日ここで製造されています。「リーズナブルで美味しい、でもチープではないものを」というコンセプトのもと、看板メニューである苺サンドショートやアップルパイをはじめ、目にも舌にも美味しい洋菓子がショーケースを彩ります。
昭和41年(1966年)に建て替えられたというビルは、現在も昭和の面影を残したレトロモダンな雰囲気で訪れる人を迎えてくれます。入り口を入ると、右側にケーキや焼き菓子などが並ぶショーケース、左側にパンのコーナー。近江屋洋菓子店は、もともとパン店から始まったという歴史があり、現在もパンは平日なら20〜30もの種類が並びます。パンもすべて自社で製造しており、クリームパンのカスタードクリームやあんぱんの餡も自家製なんです。
商品のラインナップは1年を通して販売している定番と、季節ごとに変わる期間限定があり、季節のフルーツをふんだんに使った色あざやかなパイやタルトがずらりと並ぶ様子は、見ているだけでも楽しいもの。これらのフルーツは毎朝大田市場から買い付けたばかりの新鮮なものを使用しているそうです。
「農産物は天候や気候によって品質が左右されるもの。そのため、産地を限定することはせずに、その季節、その日に手に入る良いものを使っています。小麦粉や砂糖などのフルーツ以外の原材料についても、品質の高さももちろんですが、毎日これだけ多くの種類を製造しているので、安定的に手に入るということが大事なんです」
こう語るのは、5代目の吉田由史明さん。現在は4代目の父・吉田太郎さんと親子二人三脚で店の経営を行っていますが、由史明さんは、東京や岡山の洋菓子店で働いた後、5年ほど前に近江屋洋菓子店に入社。それ以降は、父のやり方を継承しつつも、SNSに力を入れたり、新商品を意欲的に生み出すなど、自分なりの方法で新たなチャレンジを続けています。