いまの時代で一番おいしい和菓子をつくりたい
500年という歴史を持ち、「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」という経営理念のもと、時代に合わせたおいしさを追求する「とらや」。味や製法はもちろん、店舗のコンセプトや新製品開発に至るまで、あらゆる面で進化を続けています。
「和菓子はシンプルな原材料でつくられているので、良質な原材料を使うことはとても重要です。最良の原材料を安定的に確保するためにも、栽培が難しく希少な原材料は古くから契約栽培の体制をとり、生産者様と共に素材づくりに取り組んでいます。一方で、流通の発展で手に入るようになった素材や、果物の新しい品種など、時代の変化にも目を向けています」と黒川さん。
常に“より良い菓子づくり”を目指す「とらや」ですが、新商品の販売や、ロングセラー商品の改良に関しては、お客様の視点を大切にしています。
「大切なのはお客様がいま何を求めてくださっているか。それを常に自問し、昔から販売している菓子でも、さらなるおいしさを求め、改善しています。おいしい和菓子を、良いサービス、良いかたちでご提供することで、お客様に喜んでいただけることが、私たちの最大の喜びです」(同)
これからは、世界中に羊羹や和菓子の魅力を伝えたいと話す黒川さん。近年は、スポーツ競技の世界大会にて国内外の選手に羊羹を提供したり、英語も併記したSNSにて情報発信も行っています。
「Instagramのフォロワーは2~3割くらいが海外の方です。菓子の写真に興味を持っていただいたり、実際に召し上がっていただければ、世界中の方々からフィードバックを得られ、さらにおいしい和菓子をつくれるはずです」(同)
新しい赤坂店は、ギャラリーや御用場(菓子製造場)、菓寮(喫茶)も備えたモダンな4階建て。自然光や外の空気をふんだんに取り入れ、大きく開けた窓からは赤坂御用地の緑も望めます。虎屋菓寮では、あんみつやお汁粉などの甘味はもちろん、赤坂店だけで楽しめる限定メニュー、お食事も用意されています。外の景色を楽しみながら、食事やお茶の時間をのんびりと過ごしてみてはいかがでしょうか。