丁寧に手づくりされた美しい和菓子は外国人のおもてなしにも
六本木交差点から外苑東通りを東京タワー方面に向かってしばらく進むと、左手に見えてくる落ち着いた佇まいの和菓子店が青野総本舗。江戸時代の創業以来、六本木の地で愛され続けています。店内のショーケースには、どら焼きやもなか、ようかん、ぜんざいなど、歴代の当主が丹精を込めてつくり上げてきた銘菓がずらり。なかでも名物は、あんを求肥で包み、きなこをまぶした「鶯もち」です。昭和初期、4代目当主が役者である兄から「楽屋でも汚さず食べられる菓子を」との依頼を受け、ひと口サイズで個包装の鶯もちを考案。今なお人気を博しています。
こちらで売られている全ての和菓子は、店舗に隣接する工房で、熟練の職人の手によりつくられています。素材にはどれも厳選したものを使用。たとえば和菓子にとって重要なあんの原料となる小豆は、北海道産の中から用途によって色や大きさなどを使い分けています。さらに、商品ごとにあんの甘さやしっとり感、色合いなどをつくりわけているため、こしあんだけでも10種類以上のバリエーションがあるとか。気温や湿度に合わせて、その都度つくり方も調整しています。
季節感のある和菓子も多数取り揃えられており、周囲の企業の方が、外国のお客様のおもてなし用に購入されることも多いそう。丁寧に手づくりされた和菓子は、ワンランク上の手土産や贈答用としても重宝されています。