【2023年暑中見舞い状マナー】いつまでに出す? メールでも良い? 知っておきたい常識と文例

【2023年暑中見舞い状マナー】いつまでに出す? メールでも良い? 知っておきたい常識と文例

夏に送る暑中見舞い状にはどんな意味があるのかご存じですか? 意外と知らない由来や、出す時期、NGマナーなどをマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに伺いました。すぐに使える例文もご紹介しているので、普段なかなか会えない人やお世話になっている人に、この夏、暑中見舞い状を送ってみませんか。

そもそも暑中見舞い状とは?その由来とは?

夏に交わされる暑中見舞い状ですが、実際にどんな意味があるのか知らない人も多いのではないでしょうか?

「暑中見舞い状は、夏の暑い盛りに相手の健康を気遣い、自分の近況を知らせるためのあいさつ状です」(西出さん/以下同)。

もともとは、お盆の帰省の際にお供え物をご先祖様に捧げるという風習が由来です。これが江戸時代になると、お世話になっている人全般に夏の手土産をもってあいさつ回りをする風習に変わり、遠方で訪問できない家には飛脚便を使って贈り物や書状を届けていたといいます。それが明治時代の郵便制度の発達によって、簡素化されたあいさつ状を送る習慣ができ、大正時代に現在の“暑中見舞い状”の形が定着したと言われています。

いつからいつまで?2023年の暑中見舞い状を出す時期

暑中見舞い状は、夏ならいつ出してもいいわけではなく、時期の目安があります。

「“暑中”とは、一年で最も暑さが厳しいとされる時期のことで、暦の上では夏の土用(立秋前まで)の約18日間を指します。しかし、最近では実際の気候に合わせて、暑中見舞い状は二十四節気の『小暑』7月7日頃から『立秋』の前日にあたる8月7日頃までを目安に出すといわれています。もしも立秋を過ぎてしまった場合は、暑中見舞いではなく、残暑見舞いとなります。残暑見舞い状は、8月末までに出すと安心です。遅くても『処暑』の終わる『白露』の前日にあたる9月7日頃までに出しましょう」。

7月に入ったら、暑中見舞い状を送る準備を始めましょう。

暑中見舞い状の書き方。一般的な文例と相手別の文例を紹介

暑中見舞い状はハガキで出すのが一般的です。

「日本はもともと縦書きの文化ですので、正式には縦書きで、そして手書きで書くのが基本です。その際、毛筆で書くのがもっとも丁寧で敬意が伝わるスタイルです。最近では毛筆風に書ける筆ペンもありますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。その他、万年筆でも問題ありません。また、印刷されたハガキで送っても構いません。その際は、手書きでひと言添えると気持ちが伝わりやすくなりますね。その際の筆記用具も、筆や万年筆で書くことをおすすめします。ボールペンやマジックは、事務作業で用いるものという印象があるため、書状を書く際には控えるほうが無難です。特に年配の方や目上の方へ出す場合は避けた方が安心です」。

暑中見舞い状は、贈る相手によって書き方が多少異なってきますが、まずは一般的な手紙の書き方を教えてもらいました。

暑中見舞い状の一般的な文例

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暑中お見舞い申し上げます……(1)
連日気温の上昇が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
お陰様で私たちは涼を得ながら過ごしております。……(2)
暑さ厳しき折、ご自愛くださいますよう祈念いたしております。……(3)
令和○○年 盛夏 ……(4)
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(1)暑中見舞いのあいさつの言葉
はじめに「暑中お見舞い申し上げます」とお見舞いのあいさつを、本文よりやや大きめの文字で書きます。最後の句点“。”は書きません。また本文にも句読点をつけなくても問題はありません。その際は、読点の代わりに半角スペース、句点の代わりに一文を行末で終えるようにすると読みやすい配慮になります。

(2)時候のあいさつからはじまる本文(相手の健康を気遣う言葉、自分の近況報告など)
自分が感じているそのときの季節感を時候のあいさつとして書きます。その後に相手の健康を気遣う言葉を続けましょう。お世話になったことがあれば、そのお礼も伝えましょう。そして、自分の仕事やプライベートな近況報告を書きます。
「近況報告の内容として、“病気になった”“調子が良くない”など、相手に気を遣わせたり、ネガティブとなるような話題は控える配慮も大切です」。

(3)結びのあいさつ
暑中見舞いの主旨である、相手の健康を気遣い、無事を祈る思いやりのあるひと言で最後を締めくくります。

(4)日付、差出人名など
詳細な日付は入れず、年数の下に、暑中見舞いの場合は“盛夏”と書きます。

暑中見舞いを書く上で一番大切なことは、相手を思いやる気持ちです。相手の近況を尋ねる言葉や、またお会いしたいという気持ちをつづることもおすすめです。
「また、文章だけでなく、ひまわりの花やスイカなど、季節感のあるイラストや写真を入れると、より魅力的な暑中見舞いになります。かき氷や水など涼しさを感じさせるイラストや写真などからは、相手を思いやる一層のマナーを感じられます」。

上司へ送る場合の文例

「『目上の方へは“暑中お見舞い”ではなく“暑中お伺い”と書く』という説もありますが、“暑中お見舞い申し上げます”で問題ありません。気になる場合は“暑中伺い申し上げます”とすると良いでしょう。
また、“お伺い”は二重敬語のため“暑中伺い”が文法上は正しいです。とはいえ“お伺い”の方が丁寧に感じますし、現在では多くの人が使用しているため間違いとは言い切れません」。

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暑中お見舞い申し上げます

日に日に暑さが増しておりますが
○○部長におかれましてはご清祥のことと存じます。

いつも丁寧にご指導くださり感謝いたしております。

時節柄 ご自愛のほどご祈念申し上げます。

 令和○○年 盛夏
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ビジネス上の取引先へ送る場合の文例

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お見舞い申し上げます

厳しい暑さが続いておりますが、お変わりなくご活躍のことと存じます。
貴社におかれましては益々ご繁栄のこととお喜び申し上げます。

私どもも暑さに負けず、日々精進したく存じます。
今後とも変わらずお引き立ての程、よろしくお願い申し上げます。

時節柄、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。

 令和○○年 盛夏
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親しい友人へ送る場合の文例

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暑中お見舞い申し上げます

猛暑が続いていますが、お変わりありませんか。

私は、相変わらず仕事三昧の毎日です。
冷えたビールで暑気払いをしたいですね。

今年の夏も健康で楽しい日々となりますように。

 令和○○年 盛夏
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SNSやメールでは?暑中見舞い状をハガキ以外で出す場合のマナー

親しい相手には、メールやSNSで暑中見舞いとして送ってもいいものでしょうか?

「今の時代、普段からメールやSNSでやり取りをしている関係でしたら、もちろん大丈夫です。いただいた側も、その方が返事をしやすいですね」。

双方がやり慣れている方法でのあいさつであれば、自分にも相手にも負担がありません。形式にとらわれ過ぎずやり取りのしやすさを大事にすることが、相手思いのマナーとなりますね。

いただいた暑中見舞いへの返事の有無や文例は?

暑中見舞い状をもらったら、返事は必要?

暑中見舞い状を送ってくれた相手に対して、こちらからの返事は必要でしょうか。

「基本的に暑中見舞い状の返事を出す・出さないは個人の自由ですが、礼儀として返事は出したいものです。特に目上の方や仕事関係者からいただいた場合は、返信は必須と考えます。相手に届く時期によって“暑中見舞い状”もしくは“残暑見舞い状”として送りましょう」。

暑中見舞い状への返事は、はがきでもらったらはがきで。メールにはメールで。

ハガキで暑中見舞いをいただいたら、その相手にはハガキで返すのが礼儀です。メールできた相手にはメールで返信すれば問題ありません。またハガキで返事が出せない場合、メールやSNSなどで連絡しても大丈夫だといいます。

「最も避けるべきは、何の反応もしないことでしょう。暑中見舞いハガキをいただいたから『ハガキで返信しなければ』という思いから、ついそれが遅くなってしまうことがあります。ハガキでの返信がすぐにできない場合は、まずはメールやSNSのメッセンジャーなどで、取り急ぎの暑中見舞いハガキのお礼を伝え、先方のご健康を祈念する気持ちを伝えると良いでしょう。ただし、目上の方にはきちんとハガキで返信することをおすすめします。相手との関係性によっては電話をしても構いません。声が聞けて直接お話しできたと喜んでくださるケースが多くあります。ただし、電話はかえって迷惑になる場合もあるので、立場や関係を考えて連絡しましょう」。

暑中見舞い状をもらった相手へ返信する場合(目上の方宛て)

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暑中伺い申し上げます

いつもお心にかけてくださり 誠にありがとうございます。
○○先生がお元気にご活躍なさっていること
大変嬉しく思っております。

本年の暑さもまだ続くようで。す
くれぐれもお体を大切に
お健やかに過ごされますよう祈念申し上げます。

 令和○○年 盛夏
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暑中見舞い状のやり取りで避けるべきNGパターン

喪中の場合は、派手な絵柄は避けること

「喪中の場合、年賀状のやり取りは控えますが、それは年賀状が新年を祝うものであることからきています。しかし、暑中見舞い状は、暑い時期に相手が体調を崩さないようにと、相手を気遣うあいさつ状ですので、喪中だからといって控える必要はありません。気になるようでしたら、四十九日が明けるまで待ち、ハガキは無地や落ち着いた絵柄のものを選んで。『お寂しい日々をお過ごしのことと察しますが、暑さの厳しき折、くれぐれもご自愛ください』など、相手を思いやる文面を添えると一層気持ちが伝わります」。

お中元のお礼を兼ねての暑中見舞い状を送らない

「お中元は、日ごろお世話になっている方に感謝の気持ちと相手の健康への気遣いの気持ちを品物に託して送るものです。一方、暑中見舞い状は、暑い季節に相手の健康を気遣うあいさつ状です。健康への気遣いという点は同じですが、お中元の品物の添え状として『暑中見舞い状』を添えるのは避けたほうが良いでしょう。暑中見舞い状は、お中元の添え状とは別に送るのが無難です。また、お中元をいただいた場合、そのお礼状を暑中見舞い状と兼用することもしないように。お礼は、きちんとお礼状として送るのが本来のスタイルです」。

暑中見舞い状はハガキが親切

「たとえば、報告したいことが多すぎてハガキでは収まらないとき、それを封書で送っても間違いではありません。しかし、基本的なマナーとして、ハガキで来たものはハガキでお返しするものですから、封書で届いたものには相手も封書で返信することになります。すると相手の負担になってしまうことになりかねません。関係性に応じて使い分けをする配慮を」。

暑中見舞い状を止めたい場合は?

疎遠になってしまった人との暑中見舞い状のやり取りを止めたい場合、どのようにするのが良いでしょうか。“年賀状じまい”のようにひと言あいさつしてから止めるべきでしょうか。

「年賀状とは意味合いが違いますし、疎遠になっている人であればなおのこと、積極的にそこまでする必要はないと考えます。例えば、相手から暑中見舞い状が届き、返信したいと思えば返信をする、そうでないと思えば、相手との関係性に応じて返信をしないというのも選択肢としてあります。もちろん、返信はしたほうが良いです。しかしそうすると次年度も同じことが繰り返しとなり、結局、暑中見舞い状を止めることにはならない可能性がありますね。相手を気遣うことも大事ですが、自分の気持ちや環境・資源を大切にすることもマナーです。現代は自身の気持ちに正直に無理のない範囲でできることを行う時代です。ご自身の気持ちや状況も大切になさって判断してくださいね」。

暑中見舞い状は、相手への思いと自分の気持ちを大切に心のこもったやり取りを

季節のやり取りが減りつつある現代。相手の健康を思いやる暑中見舞いは、絆を深めるコミュニケーションツールとして実はとても優秀です。自分に無理のない範囲で、たとえば旅先からポストカードを使って楽しい思い出を共有するなど、ちょっとした心がけで相手への気持ちは伝わるはずです。「あの人はどうしているかな」という自分の気持ちを大切に暑中見舞い状を書き、楽しみながら良いコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。

取材・文/手塚よしこ
イラスト/篠塚朋子

今回のまちめぐりOutline


菊寿堂いせ辰 谷中本店

住所 東京都台東区谷中2-18-9
アクセス 東京メトロ千代田線千駄木駅より5分
電話 03-3823-1453
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西出ひろ子さん

お話をお聞きしたのは…

マナーコンサルタント。相手の立場に立つ『真心マナー®』をモットーに活動。NHK大河ドラマや映画、CMなどにおける俳優やアスリート、タレントへのマナー指導及び出演の他、皇室関連のマナー取材も多数。書籍監修および執筆も100冊以上と多く、著者累計は100万部を突破。西出さんが伝えるノウハウは日常の生活や仕事で気軽に取り入れられつつも手応えを感じられるもので、納得度の高い内容が人気。
西出ひろ子さんの情報は公式サイト及び、Instagramにて随時更新中。

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