2026.07.18 公開
日本は創業100年を超える老舗企業が世界で最も多い国として知られています。しかし、それを遥かに凌駕する「創業1000年超」という驚異的な歴史を持つ企業が存在することをご存知でしょうか。
2026年7月17日(金)、東京の神田明神 文化交流会館にて、100年企業創りをビジョンに掲げるTOMAコンサルタンツグループの主催により、第10回記念「1000年企業サミット/1000年企業パネルディスカッション・交流会」が開催されました。
今回は、世界最古の歴史を誇る宮大工集団や、いけばなの根源、京都の伝統を受け継ぐ鋳物メーカーなど、日本が世界に誇る1000年企業の代表者が一堂に会し、永続発展の秘訣を語り合いました。歴史の深さに触れ、次の時代を生き抜くためのヒントが詰まったサミットの模様をレポートします。

1. 奇跡の歴史を紡ぐ「1000年企業」の紹介
本サミットのパネルディスカッションには、創業1000年前後という驚異的な歴史を持つ3つの企業の代表者が登壇しました。それぞれの歩みと現在の取り組みをご紹介します。
- 株式会社金剛組(西暦578年創業)

- 聖徳太子の命により、四天王寺を建立するため百済から招かれた3人の宮大工(匠)のうちの1人が創業した、世界最古の歴史を持つ企業です。
- 代々の当主が「四天王寺をお守りせよ」という使命を頑なに守り続けてきました。
- 2006年に高松建設グループの支援を受け、創業の原点である「社寺建築専業」へと回帰し、伝統技術を未来へ繋いでいます。
- 華道家元池坊(西暦587年創業)
- 日本の伝統文化である「いけばな」の根源であり、現在の家元まで41代にわたり脈々と受け継がれています。
- 時代ごとの建築空間や生活様式の変化に合わせ、多くの草木を使った豪華な花から、現代のライフスタイルに馴染むコンパクトな花まで、柔軟に表現を変化させてきました。
- 現在は国内外に会員制度を広げ、世界中でいけばな文化の普及と交流に努めています。
- 株式会社傳來工房(西暦806年創業)
- 京都にて弘法大師(空海)が唐から持ち帰ったとされる高度な鋳物技術を起源に持つ、物作りの老舗企業です。
- 伝統を守るだけでなく、2002年からは「ディーズガーデン」ブランドを立ち上げ、モダンなエクステリア・ガーデン市場を開拓しています。
- 「お客様大事」「職人主義」「環境整備」の3つを大切に、独自の強みを磨き続ける「グレートカンパニー」を目指しています。
2. パネルディスカッション要約:『1000年の知恵に学び、次の100年をどう生きるのか』
サミットのメインコンテンツであるパネルディスカッションでは、TOMAコンサルタンツグループの藤間秋男氏の司会進行のもと、「伝統と革新」「危機の乗り越え方」「未来への承継」をテーマに熱い議論が交わされました。

① 変えてはいけない伝統、変えるべき手段(伝統と革新)
1000年続く企業に共通していたのは、「本質(理念)」は頑なに守りながらも、「手段(技術や組織)」は時代に合わせて大胆に変えていく姿勢でした。
- 金剛組:社寺建築にかける誠実な姿勢や「正直な見積もり(真実・品質・技術の優先)」という経営理念は絶対に変わりません。一方で、3D CADやBIM、AIといった最新のデジタル技術を積極的に導入し、業務の効率化を図っています。
- 池坊:いけばなの精神や根幹となる技術は不変ですが、人々の価値観や空間の変化に応じて、その時代を引っ張る「新風体」などの新しい様式を柔軟に発表し続けています。
- 傳來工房:むやみに売上規模を追って事業を広げるのではなく、自社の強みに絞り込む経営を徹底しています。また、「環境整備」として社内の美化や挨拶の徹底を通じ、組織の基礎体力を高めています。
② 数々の危機をどう乗り越えてきたか
戦争、大災害、経済危機、価値観の激変など、1000年の歴史の中には数えきれないほどの存亡の機がありました。
- 金剛組:明治維新によるお抱え特権(禄)の廃止や、戦時中の一般建築への進出による失敗など、数々の困難を経験しました。しかし、2006年の経営危機の際には「社寺建築専業」という創業の原点に回帰することで、再び立ち上がりました。
- 池坊:戦後すぐの混乱期など、文化活動自体が否定されかねない時期であっても、技術の断絶を防ぐために様々な工夫(道具のやりくりなど)を重ね、いけばなの命脈を繋いできました。
- 傳來工房:時代や社会のニーズの変化(バブル崩壊、コロナ禍など)に応じ、鋳物の素材を鉄からアルミへシフトさせるなど、柔軟な素材・事業の転換(革新)を繰り返してきました。

③ 未来へ繋ぐ、次世代への事業承継
永続のバトンを次の代へ渡すための具体的な智慧も共有されました。
- 理念と使命の承継:事業承継の本質は「社長個人の交代」ではなく、「企業の理念や使命を組織全体に引き継ぎ、経営者が変わっても価値観を抜いていくこと」であると語られました。
- 次世代の育成と投資:金剛組では、深刻化する大工不足に対応するため「若手宮大工の育成」に力を入れており、100年後・200年後を見据えた最も重要な投資として位置づけています。池坊でも若い世代が成長を実感できる組織作りを進めています。
- 周囲の幸せを願う「積善」の精神:藤間氏は、商売繁盛や永続の原点として、自社の利益を最優先するのではなく、取引先やお客様、社会全体が幸せになることを願う「積善(繁盛の連鎖)」の精神が不可欠であると結びました。
3. 【注目イベント】第5回「老舗フェスティバル2026」に藤間秋男氏が出演!
本サミットを主催したTOMAコンサルタンツグループは、「100年続く企業を創る」をビジョンに掲げ、中小企業の総合的な経営支援を行っているコンサルティングファームです。
100年企業サミットの軌跡:2010年より「100年企業サミット」を主催して回を重ねており、第10回目となる今回は特別に「1000年企業サミット」として開催されました。
今回のサミットでも素晴らしい司会を務め、老舗企業の永続経営について深い知見を示されたTOMAコンサルタンツグループの代表取締役会長・藤間秋男さん が、この秋に開催される注目の伝統文化イベントに出演されます!
日本全国の老舗の逸品や伝統技術・文化に触れられる大人気イベント、第5回「老舗フェスティバル2026 by agataJapan」が、2026年10月3日(土)に東京・日本橋で開催されることが決定しました。
藤間秋男さんも本イベントのコンテンツに出演され、100年、そして1000年続く企業を創るための熱いメッセージや、老舗の文化を守り育てるための智慧を発信される予定です。
ビルに囲まれた都会的な空間の中で、幽玄の奉納能楽ステージやお酒の飲み比べ、老舗の名品マルシェなどを品よくカジュアルに楽しめる特別な一日。ぜひ皆様も日本橋に足を運び、日本が世界に誇る「老舗の伝統と文化」の奥深さを肌で感じてみませんか?
イベント概要
- イベント名:第5回 老舗フェスティバル2026 by agataJapan
- 日時:2026年10月3日(土)10:00〜18:00(予定)
- 会場:福徳の森・コレド室町仲通り周辺(東京都中央区日本橋室町2-5-10)
- 内容:老舗・ご当地による小売・飲食・展示、伝統文化ワークショップ、日本のお酒飲み比べ、クロスカルチャーパフォーマンス ほか
- 公式ページ:日本の老舗通販.net 特設ページ







