日本橋さるや

創業 宝永年間(1704~1711年)

黒文字の香りと職人技が光る 日本唯一の楊枝専門店

地下鉄・三越前駅から歩くこと数分。路地の中にモダンなカフェと見まごう瀟洒な店が現れます。ここが、日本唯一の楊枝専門店「日本橋さるや」。江戸っ子たちが愛した房楊枝の時代からクロモジ(黒文字)の木を使い、現在も長さや太さの異なる20種類以上の楊枝をつくり、販売しています。

「そもそも楊枝は仏具の一つとして渡来し、もとは僧侶や公家のものだったとか。民間に広まったのは江戸幕府徳川家三代将軍・徳川家光公の時代。この頃から庶民も食後は“房楊枝”(先端が房のようになった楊枝)で歯をケアするのが一般的になりました。クロモジの特徴は、香りがよく、強度もあり、弾力性に富んでいること。殺菌作用もあるとされ、古来、口の中を清潔に保つのに適した素材として知られていたようです」と、話すのは9代目ご当主の山本亮太さん。

歯間を掃除するのに適した細いものから和菓子用の太めのものまで選べる「さるやの黒文字楊枝」を筆頭に、店内に並ぶ商品数は約100種類。桐箱に縁起のいい言葉が書かれたロングセラー商品「千両箱」や年末から売り出される翌年の干支を描いた「干支楊枝」も人気で、「とくに干支の絵柄は毎年変えているので、コレクションしてくださるお客様も。『数周前のうさぎ、持ってるわよ』とお声がけいただけることもあります」と山本さん。
なかでも「使ったお客様たちから『一度これを使ったら、一般的なこけし楊枝にはもう戻れない』というお声を数多くいただいています」と胸を張るのが、極細の「上角(じょうかく)楊枝」。熟練の技を必要とし、現在これを手がけられる職人はただ1人だとか。今後もこの楊枝を絶やさないために、8代目である山本さんの父が職人からじかに技を受け継いでいる最中だそうです。匠たちが手がける「日本橋さるや」の楊枝は、最上級の品質と時代に合ったデザインで長い歳月を生き抜いてきた江戸名物。大切な人への贈り物としても喜ばれそうです。

沿革

宝永年間(1704~1711年)の創業。当時の江戸城下には多くの楊枝屋があり、特に浅草寺の境内には200軒近くの楊枝屋が軒を連ねていました。しかし、現在残っている楊枝専門店は、この「日本橋さるや」だけ。現在のご当主まで9代、楊枝のみを取り扱ってきました。店名の“さるや”とは、江戸時代に楊枝屋を指した代名詞。理由は、猿の歯が白いから、あるいは猿を肩に乗せて楊枝を売っていたからなど諸説があるそう。明治期に歯ブラシが上陸すると、楊枝専門店は次第に姿を消しましたが、「日本橋さるや」は300年を経た今日も、かつての呼び名で粋な楊枝を提供し続けています。

1本1本に込められた職人の技術は使ってこそわかる

お客さまから『もったいなくて使えない』『ずっと持っています』という声もお聞きしますが、やっぱりうちの楊枝の価値は歯への当たりを体感していただいてこそ。大切に思っていただけて嬉しい反面、ぜひどんどん使っていただきたいですね。最近は、書道家が手がける“名入れ”も好評です。

注目のこの逸品

特上11,000円、上8,800円

白木屋傳兵衞を代表する江戸手箒です。コシの強い草を選別しているため、数ある江戸箒の中でもバネ感があり、ほこり取れがよい1本。座敷、フローリング、カーペットと場所を選ばず使えますが、特におすすめはカーペット。潜んでいたほこりや髪の毛、ペットの毛をどっさり掻き出せます。

上角楊枝

1,320円

極細の「上角楊枝」を、縁起のいい「千両箱」の桐箱におさめた一品。熟練の職人が、冬の山中で若く弾力のあるクロモジの枝を選び、採取することから始まり、長さ6cm・直径1cmほどの細い枝から16本もの楊枝を削り出すそう。適した枝を選ぶ確かな目利きと高い技術力によってつくられる1本は、歯茎への当たりが優しく、弾力にも富み、歯の隙間に入りやすい点が魅力。

さむらい楊枝

40本 1,100円

黒文字楊枝の1本ごとに、「さむらいの一言」としてモダンな紙片が巻かれています。紙には「これにて御免 【korenite gomen】Good bye now」「たのもう 【tanomou】Hello,May I come in?」といった侍のセリフが英訳で記されており外国からのお客様に人気。さらに辻占いも付いているので、日々の食後が楽しみになりそう。「剣豪橙色」「忠勤赤色」「浪人緑色」の3種類から選べます。

スポット概要

住所東京都中央区日本橋室町1-12-5
電話03-5542-1905
営業時間10:00~18:00(コロナ禍により現在は〜17:00)
定休日日曜・祝日
支払い方法現金・クレジットカード(AMERICAN EXPRESS、VISA、JCB、Diner’s Club、Mastercard)
外部リンク公式ホームページ
※掲載の情報は、記事公開時点のものです。変更される場合がございますのでご利用の際はご確認ください。

新着・おすすめ情報

  1. 【かんだやぶそば】春の味覚「若竹そば」のご紹介

  2. 【ホテル龍名館東京】東京ブッフェ 2月のおすすめ

  3. 言問団子

  4. 巴裡 小川軒 新橋店

  5. 海老屋總本舗_川北学さん

    海老屋總本舗

  6. 新正堂

  7. 今朝

  8. 箱長 オレンジ通り店

  9. 【上野精養軒】クリスマススペシャルフルコース

  10. 生地からこだわりオリジナルの素材を開発。江戸時代の歌舞伎役者にも愛された浴衣の老舗「竺仙」【前編】

  11. 【いせ辰】鯉のぼりモビール 販売中

  12. 山本海苔店「五つの奥義」動画を公開しました

  13. 昭和12年(1937年)創業、日本の魚食文化を美味しさで支える『蔦の家』。西京漬の進化系でもある『京華漬』とは

  14. 【竺仙】店主が選ぶ今年の新作 「竺仙綿絽白地ゆかたと麻半巾帯」

  15. 【榛原】蛇腹便箋 新柄「エ霞に桜」発売のお知らせ