埼玉県深谷市。全高20メートルを超える煉瓦造りの煙突を目印に立つのが、文久3年(1863年)創業の滝澤酒造です。代表銘柄は「菊泉(きくいずみ)」。六代目当主の滝澤英之さんは自ら杜氏を兼ね、いま日本酒の新しい形である発泡日本酒の普及に取り組んでいます。2023年10月20日の「老舗の日」に開催された老舗サミットでの講演「日本酒の未来」を、動画とあわせてご紹介します。滝澤酒造は、2026年10月3日に日本橋で開かれる「老舗フェスティバル2026 by agataJapan」にも出展します。
動画の見どころ
全編3分8秒。老舗サミット2023の登壇部分を抜き出した短い映像ですが、日本酒がいま置かれている状況と、そこに対する一つの答えが凝縮されています。
- 日本酒の現在地——出荷量のピークは約50年前。いまはその4分の1程度まで落ち込んでいる、という率直な現状認識から話は始まります。
- 発泡日本酒には二つの作り方がある——炭酸ガスを充填したものと、瓶の中で自然に発酵させたもの。滝澤酒造が力を入れるのは後者、しかも「透明」なものです。
- 「AWASAKE」という旗印——34社の仲間とともに協会をつくり、シャンパン製法を応用した発泡日本酒の普及に取り組んでいること。
- 輸出とピンクのスパークリング——制約の多いなかで高品質を追う輸出の考え方と、特許を取得したというピンク色のスパークリング日本酒。
滝澤酒造の創業は何年か
滝澤酒造の創業は文久3年(1863年)。江戸時代の最末期、明治維新の5年前にあたります。所在地は埼玉県深谷市田所町9-20。蔵のシンボルである全高20メートルを超える煉瓦製の煙突は、深谷の町並みのなかでもひときわ目を引く存在です。代表銘柄は「菊泉」で、深谷の冬の冷え込みと地元の米・水を生かした酒造りを続けてきました。(出典:滝澤酒造公式サイト「菊泉について」/2026年9月24日確認)
いま蔵を継いでいるのは何代目か
現在の当主は六代目・滝澤英之さん。平成19年(2007年)からは杜氏を兼任し、経営者でありながら自ら酒を造る立場に立っています。動画で語られる「新しい日本酒の形」への挑戦が具体的で手ざわりのあるものに聞こえるのは、造り手としての視点がその背景にあるからでしょう。(出典:滝澤酒造公式サイト/2026年9月24日確認)
深谷という土地——煉瓦と中山道と水
深谷は、中山道六十九次の宿場町「深谷宿」として栄えた町です。同時に、明治20年(1887年)に設立された日本煉瓦製造の工場が置かれた「煉瓦のまち」でもあり、東京駅丸の内駅舎をはじめとする近代建築に深谷の煉瓦が使われたことで知られます。蔵のシンボルである煉瓦煙突は、この土地の産業史とも自然に重なって見えます。
酒どころとしての埼玉も見逃せません。埼玉県は清酒の出荷量が全国4位、関東では最大の産地です。県北部は利根川水系の伏流水に恵まれ、冬の冷え込みが酒造りに向いています。深谷はまさにその只中にあります。(出典:埼玉県公式サイト 知事コラム「全国有数の酒どころ 埼玉」/2026年9月24日確認)
発泡日本酒「AWASAKE」とは何か
動画で滝澤さんが語る「自然発酵で、しかも透明」という条件は、一般社団法人awa酒協会が掲げる考え方と重なります。同協会は、厳選された米と米こうじと水だけを使い、二次発酵による自然な発泡を持ち、かつ透明であることを求めています。炭酸ガスを後から吹き込むタイプとは、造りの難しさがまったく違います。(出典:awa酒協会公式サイト/2026年9月24日確認)
滝澤酒造の発泡性純米酒「菊泉 ひとすじ」は、この流れのなかで生まれた一本です。栓を開けると細かな泡が立ちのぼり、日本酒でありながら乾杯の一杯として成立する——そんな新しい役どころを担っています。
買う・訪ねる
- 公式サイト:滝澤酒造株式会社(菊泉)
- お取り寄せ:老舗通販.net の滝澤酒造のページ
- 所在地:埼玉県深谷市田所町9-20(見学・販売の可否は公式サイトでご確認ください)
- エリアで探す:埼玉県の老舗
- 連載の一覧:動画で見る日本の老舗
老舗フェスティバル2026に出展します
滝澤酒造は、2026年10月3日(土)に日本橋で開かれる「老舗フェスティバル2026 by agataJapan」に出展します。全国の酒蔵が集まる飲み比べコーナーもあり、造り手に直接会って話を聞ける一日です。
- 日時:2026年10月3日(土)10:00〜18:00
- 会場:福徳の森・仲通り周辺(東京都中央区日本橋室町2-5-10)
- 詳細:老舗フェスティバル2026 特設ページ
- チケット:老舗通販.net の特設ページ
よくある質問
滝澤酒造の創業は何年ですか?
文久3年(1863年)の創業です。所在地は埼玉県深谷市田所町9-20、代表銘柄は「菊泉」です。
現在の当主は何代目ですか?
六代目の滝澤英之さんです。平成19年(2007年)からは杜氏も兼任しています。
AWASAKE(発泡日本酒)とはどんなお酒ですか?
米と米こうじと水だけを使い、二次発酵による自然な発泡を持ち、かつ透明であることを条件とする発泡性の日本酒です。炭酸ガスを充填したタイプとは造りが異なります。滝澤酒造の発泡性純米酒「菊泉 ひとすじ」がこれにあたります。
チャンネル「日本の老舗」について
この動画は、スターマーク株式会社が運営するYouTubeチャンネル「日本の老舗」で公開しているものです。当主インタビューの「五つの奥義」シリーズや、老舗サミットの講演など、100年以上続く店と蔵の話を記録しています。
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