船橋屋 亀戸天神前本店

創業 文化2年(1805年)

200年以上つくり続ける和菓子で唯一の発酵食品

地域の名所でもある藤棚の下に歩を進め、白い大暖簾をくぐると「いらっしゃいませ」の声とともに開放感あるのびやかな和の空間が広がります。天井が高く、ゆったりと落ち着きを感じさせる喫茶ルーム。奥に続く坪庭には、緋毛氈の敷かれたテラス席がしつらえてあり、亀戸天神境内の茶屋として始まった船橋屋のルーツを思い起こさせてくれます。

初代の勘助は、梅や藤といった季節の花の名所として知られた亀戸天神に多くの参拝客が訪れるのを見て、茶屋を開こうと閃いたのだといいます。そうして茶屋の名物となったのが今も愛されるくず餅でした。

それから200余年、船橋屋といえば「くず餅」。「くず餅」に代表される関東式のくず餅は、葛粉からつくられる関西の葛餅とは違い、グルテンを取り去った小麦澱粉を乳酸菌発酵させ、蒸したもの。船橋屋では天然木の発酵槽の中で450日の間、乳酸発酵させ、毎日職人が蒸し上げています。もっちりとした食感の中にほのかな香りと酸味を感じるのは乳酸発酵の証。「くず餅」は、実に和菓子では唯一の発酵食品なのです。近年では「くず餅乳酸菌」を応用した新商品の開発や、「くず餅乳酸菌」の健康への寄与についての研究結果も出ているそう。

喫茶ルームに掲げられた大看板は、多くの大衆小説や歴史小説を手がけ国民文学作家として知られた吉川英治の揮毫によるもの。執筆休憩のおやつに黒蜜をつけたパンを好み、さまざま試した中で船橋屋の黒蜜が一番のお気に入りだったという文豪・吉川が生涯で唯一残した貴重な大看板なのです。

車椅子でやってきたお客様が昔からの好物としてきな粉と黒蜜をたっぷりかけたくず餅に舌鼓をうつ傍で、若いお客様が写真撮影に興じつつ初めてのくず餅やあんみつの味に目を丸くする。そんな光景がこのお店らしさ。

初代がつくりあげ、江戸の人々を魅了した味は、今でも新しいファンをつかみ続けています。

沿革

文化2年(1805年)、梅や藤の名所として人気のあった亀戸天神の境内で、下総国(千葉県)船橋出身の初代・勘助が創業しました。勘助の出身地である下総が良質な小麦の名産地として知られたことから、小麦粉を練って蒸した餅を売り出したところ、瞬く間に亀戸天神参拝の名物「くず餅」として人気を集め、明治初期の『維新の頃より明治のはじめ 大江戸趣味風流名物くらべ』では江戸甘いもの屋番付の横綱に格付けされるほどになりました。芥川龍之介や永井荷風、吉川英治といった東京に残る江戸の風情をよく知る文化人にも愛され、第二次世界大戦による店舗焼失の後も、奇跡的に残ったくず餅の材料である小麦澱粉とともに店を再建。亀戸天神と合わせた亀戸随一の名所として江戸の昔と変わらず人々に愛されています。

注目のこの逸品

元祖くず餅

中箱 950円

船橋屋不動の一番人気がこの「くず餅」です。たった2日間の消費期限のために天然木の発酵槽で15ヶ月かけて乳酸発酵させ、蒸しあげた、手間ひまのかかった自然食品。一人用のカップサイズから特大箱までサイズはさまざま。香ばしいきなこと秘伝の黒蜜をたっぷりかけていただきましょう。

くず餅入りあんみつ

500円

くず餅の次に人気なのが和スイーツの定番「あんみつ」です。国産天草を使ったぷりっとした寒天、自家製のこしあん、求肥、くず餅まで入った船橋屋ならではの味わいです。こちらも秘伝の黒蜜をたっぷりからめて。お持ち帰りやオンライン販売でも対応しています。

飲むくず餅乳酸菌

大 1,300円、小 375円

「くず餅を食べると体の調子がよい」という声から生まれた新しいドリンクがこちら。米と水と乳酸菌のみで作られた自然な甘さの発酵飲料で、砂糖やグルテンやアレルゲン表示対象品目を一切含みません。毎日手軽にくず餅の植物性乳酸菌がとれると喜ばれています。


スポット概要

住所東京都江東区亀戸3-2-14
電話03-3681-2784
営業時間9:00〜18:00(喫茶11:00~L.O.17:00)
定休日なし
支払い方法現金・クレジットカード・電子マネー
外部リンク公式ホームページ
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