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日本橋さるや|創業宝永年間、黒文字の楊枝を九代目が語る【動画】

東京・日本橋室町の日本橋さるやは、宝永年間(1704〜1711年)創業の日本で唯一の楊枝専門店です。扱うのはクロモジ(黒文字)の木から削り出した楊枝だけ。長さも太さも違う20種類以上を、300年にわたってつくり続けてきました。動画「五つの奥義」では、九代目ご当主の山本亮太さんが、たかが楊枝と言われるものにどれだけの手が入っているかを語ります。

動画の見どころ

全編9分38秒。概要欄の章立てに沿って、五つの奥義を追えます。

  • 02:49 奥義一、クロモジにこだわる——なぜこの木でなければならないのか。
  • 04:13 奥義二、まっすぐ削る——細い枝から歪みなく削り出すということ。
  • 05:28 奥義三、名人技「十二手」——一本の楊枝に入る十二の手順。
  • 06:15 奥義四、歴史を繋ぐ——技を受け継ぐ側と渡す側、いまその途中にあること。
  • 07:31 奥義五、クロモジの可能性——楊枝の先にある、この木の使い道。

日本橋さるやの創業はいつか

創業は宝永年間(1704〜1711年)。当時の江戸には楊枝屋が数多くあり、とくに浅草寺の境内には200軒近くが軒を連ねていたと伝えられます。明治に入って歯ブラシが上陸すると楊枝専門店は次々と姿を消し、いま残るのは日本橋さるやだけ。現在のご当主で9代、その間ずっと楊枝のみを扱ってきました。屋号の「さるや」は、江戸時代に楊枝屋そのものを指した代名詞です。猿の歯が白いからとも、猿を肩に乗せて楊枝を売っていたからとも言われ、由来には諸説あります。(出典:agataJapan.tokyo「日本橋さるや」/日本橋さるや公式サイト、2026年9月25日確認)

なぜクロモジなのか

クロモジはクスノキ科の落葉低木で、枝を折ると爽やかな香りが立ちます。香りのよさに加えて強度と弾力を併せ持つことが、口に入れる道具の材として選ばれてきた理由です。茶席で和菓子に添えられる菓子切りを「黒文字」と呼ぶのも、この木でつくられてきたことに由来します。楊枝は単なる爪楊枝ではなく、もとは仏具として渡来し、僧侶や公家のものでした。庶民に広まったのは三代将軍・徳川家光の時代とされ、この頃から食後に先端を房状にした「房楊枝」で歯を手入れするのが一般的になります。

店に並ぶ商品はおよそ100種類。桐箱に縁起のよい言葉を記した「千両箱」、毎年絵柄を変える「干支楊枝」、侍の台詞を英訳して巻いた「さむらい楊枝」など、贈り物としての顔も持ちます。なかでも極細の「上角(じょうかく)楊枝」は、冬の山中で若く弾力のある枝を選ぶところから始まり、長さ6cmほどの細い枝から16本を削り出すという仕事。これを手がけられる職人は現在ただ一人で、8代目である山本さんの父が、その職人からじかに技を受け継いでいる最中だといいます。動画の「歴史を繋ぐ」が、いま進行中の話だというのはそういうことです。

日本橋室町という土地

日本橋室町は、江戸の商業の中心として栄えた町です。三越の前身・越後屋が店を構え、魚河岸が置かれ、人と物が集まりました。高級品も日用品も揃う土地だからこそ、楊枝のような小さな道具にも「よいもの」の需要が生まれます。同じ日本橋の老舗では、漆器の黒江屋、飴と金鍔の榮太樓總本鋪、刃物のうぶけやもこの連載で紹介しています。

買う・訪ねる

老舗フェスティバル2026 by agataJapan

日本橋の老舗が集まる一日、「老舗フェスティバル2026 by agataJapan」を開催します。東都のれん会をはじめ全国の老舗の逸品が並ぶマルシェ、伝統工芸のワークショップ、酒蔵の飲み比べ、当主が登壇する老舗サミット、特設ステージでのパフォーマンスなど。会場は福徳神社に隣接する福徳の森です。

よくある質問

日本橋さるやの創業はいつですか?

宝永年間(1704〜1711年)の創業です。以来9代、楊枝だけを扱ってきました。

楊枝に使われる「クロモジ」とはどんな木ですか?

クスノキ科の落葉低木で、枝や葉に爽やかな香りがあります。香りがよく、強度と弾力に富むことから、古くから楊枝の材として使われてきました。

店はどこにありますか?

東京都中央区日本橋室町1-12-5です。東京メトロ三越前駅から徒歩5分ほどです。

チャンネル「日本の老舗」について

この動画は、スターマーク株式会社が運営するYouTubeチャンネル「日本の老舗」の連載「五つの奥義(The Five Inner Secrets)」の一本です。ナレーションはセイン・カミュさんが務めています。

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