秋色庵大坂家

創業 元禄年間(1688〜1703年)

一子相伝の技術で300年余。家族の絆がつくる繊細な和菓子

慶應義塾大学三田キャンパス正門のはす向かいに位置する秋色庵大坂家。店に足を踏み入れると、ショーケースの中に整然と並べられた色とりどりの和菓子が迎えてくれます。

屋号や菓銘にもなっている「秋色(しゅうしき)」とは、江戸時代に店の娘として生まれ、女流俳人として活躍したお秋の俳号。秋色が13歳の時に上野公園へ花見に行き、花見酒に酔う人を見て詠んだ『井戸端の 桜あぶなし 酒の酔』という句は江戸中の話題になり、講談の演目にもなりました。この句にちなみ、店の包装紙には可愛らしい桜の花があしらわれています。また、店の片隅には「秋色女」を描いた錦絵のレプリカも慎ましやかに飾られていました。

店の奥には工場があり、18代目ご当主の倉本勝敏さんと、その跡を継ぐ予定の娘さんご夫婦が共に全ての商品をつくっています。親から子へ、一子相伝で和菓子づくりの技術を引き継いでいくのがこのお店の在り方なのです。

「50年ほど和菓子をつくっていますが、天候によっても日々塩梅が違うんですよ。それを見極めるのはいまだに難しいものです」と、ご当主の倉本さん。「いい材料を使っていい技術でつくるというのが全てにおいての基本です。それ以外の“こだわり”は、実はあまりないんですよ。だってうまいものをつくるために一生懸命になるのは当たり前のことだからね」。気さくに語るその姿からは、300年続く格式ある老舗の看板を背負いながらも、日々の菓子づくりの仕事の一つひとつを大切にしている職人の心意気が垣間見えました。「定番商品の『君時雨』『織部饅頭』『若草』の3つを食べていただくと大坂家の味がわかります」と倉本ヒロ子さん。それぞれのお菓子のためだけに練られた餡の風味の違いを楽しむのも一興です。

沿革

秋色庵大坂家は、創業から300年以上という日本屈指の長い歴史を持つ和菓子店です。大坂家という名前は、もともと大坂で商いを営んでいたことに由来します。江戸に移って元禄年間(1688~1703年)に日本橋小網町に店を構えると、「江戸買物独案内」等の古書にもその名が登場する人気店となりました。関東大震災や空襲によって店を焼失するも、その都度再建し、現在は三田の地でその歴史を繋げています。

普段のおやつとして気軽に楽しんでください

和菓子だからといって、日本茶や抹茶に合わせてなどという決まりはありません。コーヒーでも紅茶でも、好きな飲み物に合わせて、普段のおやつとして楽しんでいただければと思います。お店ではバラ売りもしているので、気軽にお立ち寄りください。

注目のこの逸品

秋色最中(しゅうしきもなか)

1個 180円

16代目が考案した日本初の三色最中「秋色最中」。「茶」は小豆の風味豊かな小倉餡。「白」は沖縄の黒砂糖を使用した黒餡。「緑」は白餡に細かく刻んだ栗が入った栗餡と、三つの味が楽しめます。餡は国産の厳選素材を使い、職人が丁寧に練り上げたもの。パリッと軽い口当たりの皮と上品な甘さの餡の組み合わせが絶妙です。

生菓子

各330円

口に入れた瞬間にホロホロと滑らかに溶ける食感。控えめな甘さと卵黄のコクを感じられる「君時雨」。しっとりと優しい口当たりのこし餡にもっちりとした食感の求肥がよく馴染み、柚子の香りがほんのりと漂う「若草」。大和芋の生地に、桃山時代の茶人・古田織部が好んだと言われる「織部焼」の釉薬の色を表現した「織部饅頭」。

スポット概要

住所
電話
営業時間
定休日
支払い方法
外部リンク
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