京都の酒といえば伏見。けれども洛中——かつての平安京の市街地にあたる一帯で、いまも酒を醸している蔵が一つだけ残っています。佐々木酒造です。明治26年(1893年)創業、豊臣秀吉が建てた聚楽第の跡地に近い上京区で、代表銘柄「聚楽第」「古都」を造ってきました。四代目当主の佐々木晃さんが、洛中の水と、小さな蔵の生き方を語ります。
佐々木酒造 四代目当主 佐々木晃氏(YouTubeチャンネル「日本の老舗」)/再生時間:30分24秒/公開:2022年7月31日
動画の見どころ
この回は章立て(チャプター)が設定されていないため、話題の並びを目次の形に整理しました。
- 洛中でただ一つ残った酒蔵になった経緯
- 仕込み水に使う地下水と、京都の水の性格
- 代表銘柄「聚楽第」「古都」の名前の由来
- 家業に戻るまでの道のり——他業種を経て蔵へ
- 小さな蔵がどこで勝負するかという考え方
- 京都という土地の名前を背負って売るということ
佐々木酒造の創業は何年か
創業は明治26年(1893年)。創業者は佐々木治郎吉です。京都の酒造業はかつて数が多く、室町時代中期には市中に300軒あったとされます。創業当時の明治26年にも131軒ありましたが、洛中の小さな蔵は次々に姿を消し、いま洛中で酒を造っているのは佐々木酒造だけになりました(2026年10月6日確認)。
歴代の当主は、創業者の治郎吉、三代目の佐々木勝也、そして現社長の四代目・佐々木晃さん(三代目の三男)。佐々木さんは佛教大学を卒業後、産業機械の販売会社を経て家業に戻りました。なお、俳優の佐々木蔵之介さんは三代目の次男で、当主の兄にあたります。
洛中の酒蔵と、仕込み水
京都の酒造りが伏見に集まったのには理由があります。伏見は良質な地下水に恵まれ、淀川の水運で大坂へ出しやすい土地でした。一方の洛中は、町が密集し、蔵を広げる余地が少ない。規模を追えない立地が、洛中の蔵が減っていった背景にあります。
それでも水はあります。佐々木酒造は、千利休が茶の湯に用いたと伝わる「銀明水」で仕込んでいると公式サイトに記しています。京都の地下水はおおむね軟水で、発酵がおだやかに進み、やわらかい口当たりの酒になりやすいとされます。「京都の日本酒は、京都の水が醸す」——蔵がくり返し語ってきた言葉です。
蔵のある上京区北伊勢屋町は、秀吉が天正15年(1587年)に造営した聚楽第の跡地のほど近く。代表銘柄「聚楽第」の名前は、この土地から来ています。
何が名物か——「聚楽第」と「古都」
代表銘柄は聚楽第。純米大吟醸から普通酒まで幅のある品ぞろえで、蔵の看板になっています。
もう一つの看板が古都です。この銘柄のラベルの文字は、川端康成が揮毫したと伝えられています。小説『古都』の作者が、京都の町なかの蔵の酒にその二文字を書いた——銘柄の由来としては、京都らしい話です。ほかに「まるたけえびす」という、京都の通り名を数え歌にした名前の酒もあります。
※商品の構成と価格は変わることがあります。くわしくは公式サイトと蔵元直送のオンラインショップでご確認ください。
蔵を訪ねる・買う
- 住所:京都府京都市上京区北伊勢屋町727
- 電話:075-841-8106
- 公式サイト:京都洛中 佐々木酒造
- オンラインショップ:京の酒 佐々木酒造 蔵元直送便
※所在地・電話は公式サイトの記載によります(2026年10月6日確認)。蔵の見学や直売の受付は時期によって変わるため、訪問前に公式サイトか蔵へご確認ください。
なお、佐々木酒造は老舗通販.netには出店していません(2026年10月6日確認)。連載で取り上げたほかの蔵の酒は、老舗通販.netでお取り寄せいただけます。
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