京都の酒といえば伏見です。市街地のなかに酒蔵が残っているほうが、むしろ例外になりました。その例外が、出町柳にある松井酒造——京都市内(洛中)最古といわれる酒蔵です。東山三十六峰と鴨川に囲まれた一角で、「神蔵(かみぐら)」という銘柄を醸しています。
創業は享保11年(1726年)。2026年は創業から300年の節目にあたります。YouTubeチャンネル「日本の老舗」では、十五代目当主の松井治右衛門さんが語っています。(出典:松井酒造公式サイト、agataJapan「松井酒造」、2026年10月2日確認)
この蔵には、一度造りを止め、2009年に再開したという来歴があります。動画とあわせて、その中断と再開がどういうものだったのかを整理しました。
公開日:2022年7月29日/再生時間:30分14秒
動画の見どころ
- 京都の街中に残る酒蔵が、3代100年以上続いてきた秘訣
- 一度止めた造りを再開するとはどういうことだったか
- 守ってきた酒づくりと、新しく始めた取り組みの切り分け
- 家訓や代替わりについて、普段あまり語られてこなかった話
- 十五代目・松井治右衛門さん自身の言葉で聞く、蔵の継ぎ方
※この回の概要欄には章立てのタイムスタンプがないため、番組の趣旨にそって見どころを箇条書きで示しています。
松井酒造とは——創業は何年で、何代目か
創業は享保11年(1726年)。2026年でちょうど300年になります。所在地は京都市左京区吉田河原町1-6、出町柳のそばです。京都市内(洛中)で最古の酒蔵とされています。(出典:松井酒造公式サイト、2026年10月2日確認)
現在の当主は十五代目・松井治右衛門さん。agataJapanの取材では、休業していた蔵の復活を決断したのが現当主の父にあたる十四代目で、その14年ほど前に蔵が復活し、取材の4年前に代替わりして十五代目になった、と本人が語っています。十五代目は東京の大学の法学部に学び、蔵の復活にあたって伏見の酒蔵で修行を積みました。(出典:agataJapan「一度は閉じた『松井酒造』。復活した酒蔵で行う、創意工夫溢れる酒造りに迫る」、2026年10月2日確認)
※agataJapanの別ページには「14代目当主・松井八束穂により平成21年に酒蔵が復活」との記載があります。復活を担ったのが十四代目、現当主が十五代目という関係として読めます。(2026年10月2日確認)
なぜ京都の酒蔵は伏見に集まったのか
京都の酒造りが伏見に集中したのには理由があります。太平洋戦争後、地下水の水質が変わり、日本酒の需要も落ち込みました。その結果、京都市街にあった複数の酒蔵が伏見へ移って合同会社をつくる動きが起こり、松井酒造も当地での造りをいったん休止しました。市街地で蔵を続けることが難しくなった時期があった、ということです。(出典:SAKE Street「洛中最古の歴史、最新の設備・グローバルなチームでの酒造り – 京都・松井酒造(神蔵)」、2026年10月2日確認)
造りが再開されたのは2009年(平成21年)。休止していた蔵を同じ場所で立ち上げ直したかたちです。現在は通年醸造(四季醸造)を行い、米を蒸す工程から麹づくり、瓶詰めまでを人の手で進める少量生産を続けています。(出典:agataJapan「松井酒造」、2026年10月2日確認)
銘柄——神蔵KAGURA、富士千歳、そして京都ジン
蔵を代表する銘柄が神蔵(かみぐら)です。無濾過生原酒を軸に、季節ごとの酒を出しており、春から秋の酒には風の名がつけられています。「神蔵KAGURA」の純米大吟醸には、京都府産の酒造好適米「祝」が使われます。ラベルにスマートフォンをかざすと醸造の動画が見られるAR機能も取り入れています。(出典:agataJapan「松井酒造」ほか、2026年10月2日確認)
創業当時から続く銘柄が富士千歳、ほかに京千歳、金瓢があります。近年は京都ジン「輪廻」やチョコレートラム「輪廻 カカオ」といった蒸留酒も手がけており、300年の蔵が日本酒の外側へも手を伸ばしているのが現在の姿です。
買う・訪ねる
- 老舗通販.netの商品ページ:松井酒造(老舗通販.net)
- 公式サイト:松井酒造株式会社
- 所在地:京都府京都市左京区吉田河原町1-6/075-771-0246
- 小売部 千歳商店:9:00〜18:00/ティスティングルーム 酒中仙:11:00〜18:00(L.O.17:00)/定休日 日曜・祝日、年始1月1日〜4日
- agataJapanの紹介ページ:松井酒造
- エリアページ:京都府の老舗
営業情報はagataJapanの「松井酒造」紹介ページの記載にもとづきます(2026年10月2日確認)。公式サイトには営業時間の一覧がないため、訪問前に蔵へご確認ください。
松井酒造の酒づくりについては、agataJapanの一度は閉じた「松井酒造」。復活した酒蔵で行う、創意工夫溢れる酒造りに迫ると京都でも最古の歴史を持つ「松井酒造」。日本酒づくりを軸に展開する、革新的な取り組みでも詳しく紹介しています。
ほかの酒蔵の回としては、小澤酒造(東京・青梅市/澤乃井)、田村酒造場(東京・福生市/嘉泉)、八木酒造部(愛媛・今治/山丹正宗)の記事もあわせてご覧ください。
老舗フェスティバル2026 by agataJapan
agataJapanでは毎年、日本が世界に誇る老舗の技術と文化に触れられるイベント「老舗フェスティバル by agataJapan」を開催しています。2026年は日本橋で開催します。
- 日時:2026年10月3日(土)10:00〜18:00(予定)
- 会場:福徳の森・仲通り周辺(東京都中央区日本橋室町2-5-10)
- 入場:無料(飲食・セミナーなどは別途費用)
- 内容:老舗・ご当地マルシェ、伝統工芸ワークショップ、全国の酒蔵による日本酒の飲み比べ、老舗サミット、ステージパフォーマンスほか
- 詳細:老舗フェスティバル2026 by agataJapan
- チケット・特設ページ:老舗通販.net 老舗フェスティバル2026特設ページ
会場に隣接する福徳神社は、古くから商売繁盛の祈願で親しまれてきた神社です。老舗の逸品を手に取りながら、日本橋の歴史と文化に親しむ一日をお過ごしください。
100年続く老舗の品を、お取り寄せで
「老舗通販.net」は、3代100年以上続く老舗だけが参加する通販サイトです。2010年の開設以来、全国の老舗の品を扱ってきました。遠方でお店に足を運べない方も、ここから取り寄せられます。
YouTubeチャンネル「日本の老舗」
この動画を公開しているYouTubeチャンネル「日本の老舗」では、3代100年以上続く老舗のご当主に、伝統と革新、家訓など普段あまり語られてこなかったことを聞くインタビュー番組「伝統はイノベーションの連続である」(CICライブ)を配信しています。ほかの回は動画で見る日本の老舗からご覧ください。
老舗のブランディング・販路開拓のご相談
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