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守半海苔店|創業1901年、茶筒缶のやきのりを四代目が語る【動画】

乾いた海苔を火鉢であぶって食べる。その「やきのり」を、お茶の缶に入れて売ることを思いついた店があります。守半海苔店(もりはん のりてん)は東京・大森で明治34年(1901年)に開業した海苔店。大森は海苔養殖の発祥地でしたが、東京湾の養殖は1962年に終わりました。産地を失った店が、どこの海苔を選び、どう残ってきたのか。四代目当主・小谷千砂子さんが語ります。

守半海苔店 4代目 当主 小谷千砂子氏(CICライブ/YouTubeチャンネル「日本の老舗」)/再生時間:45分38秒/公開:2021年4月13日

動画の見どころ

この回は章立て(チャプター)が設定されていないため、話題の並びを目次の形に整理しました。

  • 創業本家「守半本店」からの分家という成り立ち
  • やきのりを茶筒缶に入れて売ったという発想
  • 大森の海苔養殖が終わったあと、どこの海苔を選んだか
  • 初摘み海苔にしぼって仕入れる理由
  • 竣工式の記念品が主力商品になった「海苔茶漬」の話
  • 四代目として、女性の当主が受け継いだもの

守半海苔店の創業は何年か

同店は明治34年(1901年)の開業を掲げています。公式サイトのタイトルも「明治34年開業 創業本家守屋半助から受け継ぐ」です。令和3年(2021年)10月に創業120年を迎えたとしており、計算も合います。法人としての設立は昭和33年(1958年)、社名は株式会社守半海苔店です(公式サイト「会社情報」「守半海苔店の歴史」・2026年10月8日確認)。

ここは少し丁寧に書く必要があります。公式サイトの語法では、「創業本家」と「自店の開業」が別の出来事として整理されています。

  • 明治17年(1884年):守屋家5代目・守屋半助が、入新井村(現在の平和島あたり)で「守半本店」を開業し、海苔の卸販売を始める
  • 半助の長女・みよ夫妻が、大森駅前に海苔の小売店「守半海苔店」を開業する
  • 明治34年(1901年):守半海苔店としての開業(=同店が掲げる創業年)

つまり卸の本家から分かれた小売店が、この記事の守半海苔店です。なお公式サイト自身が、やきのりの缶入り販売について「当時の記録は現存せず、元祖については諸説ある」と率直に認めています。本記事も「日本初とされる」という書き方にとどめます。

当代は代表取締役・小谷千砂子さん(旧姓・守屋)。公式サイトは「四代続く伝統を100年先にも」と掲げ、歴史ページには初代 初重、二代目 守屋清一郎、三代目 守屋清太郎と写真の説明が並びます。動画のタイトルも「4代目 当主」です。ただし「小谷千砂子=四代目」と明記した公式の記載は見つからなかったため、系譜からの理解として記しておきます(公式サイト・2026年10月8日確認)。

「守半」を名乗る店が複数あります

検索すると紛らわしいので、先に整理しておきます。本記事は、東京都大田区大森北1-29-3に本社を置く「株式会社守半海苔店」についての記事です。

このほかに、創業本家の流れをくむ株式会社守半本店(大森)と、昭和2年(1927年)に蒲田で創業した株式会社東京蒲田守半(西蒲田/旧・守半蒲田店、2006年から守半總本舗、2021年10月から現社名)があります。東京蒲田守半は湯澤家が営む会社で、アトレ大森などに店舗を持ちます。いずれも守半海苔店とは別の法人です(各社公式サイト・2026年10月8日確認)。お取り寄せの際は、どの「守半」かをご確認ください。

大森はなぜ海苔の町だったのか

大森は海苔養殖の発祥地とされます。東京湾の品川・大森あたりで養殖が始まり、元禄5年(1692年)に浅草方面で漁が禁じられたため、浅草の漁師が大森へ移って養殖法を発展させたと伝えられます(2026年10月8日確認)。

大森村は延享3年(1746年)から幕府に海苔業税を納め、徳川将軍家と御三家に海苔を献上しました。この最高級品は「御前海苔」と呼ばれています。明治36・37年頃の統計では、羽田から葛西までの海苔生産のうち大森だけで66%を占めたとされ、大森で確立された養殖・乾燥の技術は江戸後期に各地へ伝わりました(三井不動産「町並みアーカイブ」・2026年10月8日確認)。

その歴史が終わったのが1962年(昭和37年)です。海苔漁の従事者が漁業権を放棄し、東京湾の海苔養殖は幕を閉じました。原因は昭和30年代の高度成長期の工場排水による水質汚染と、戦中に中断していた東京湾の埋立ての再開です。大田区は「約300年の養殖が昭和38年春に終わった」と、漁期の終わりで書いています。

ただし大森は海苔の町であり続けました。問屋は千葉・佐賀・兵庫・愛知などから仕入れ、料飲店や小売店、百貨店への販売を広げます。現在も大森には40社以上の海苔問屋があり、大森本場乾海苔問屋協同組合の組合員は平成28年時点で55社。大田区は「日本の海苔流通の要」と表現しています(大田区・2026年10月8日確認)。

産地を失った店が、佐賀・有明を選んだ理由

守半海苔店は、大森の養殖が終わったあと全国各地の海苔を試し、大森の漁場と環境が似ていた佐賀・有明海産に行き着きました。平成期には仕入れを有明産に限定し、工場長が自ら選別しています(公式サイト、agataJapan老舗ページ・2026年10月8日確認)。

同店の守屋半慈郎執行役員は、かつての大森の環境を「海水と淡水がゆるやかに交わり、加えて干満の差も大きく」と説明しています(大田区・2026年10月8日確認)。失った産地の条件を言葉にできていたからこそ、代わりの産地を選べたということです。

仕入れ方も独特です。毎年12月に冷凍網(海苔の胞子を網に種付けし、少し芽が伸びた段階で引き上げて冷凍保管したもの)を海に張り、1回目に採れる「初摘み海苔」に焦点を絞って仕入れます。寒い時期に張る網は海中温度が安定して少しずつ下がるため、海苔の成長に適し、味も乗る。初摘み海苔は黒味が強く、軽い歯触りながらコクが深く香りも良い——これが同店のやきのりの特徴です(agataJapan老舗ページ・2026年10月8日確認)。

名物と価格

主軸はやきのり(板のり9切・缶入)です。公式通販の価格は、S缶(9切90枚入/板のり10枚分)が丸缶2,800円・1本箱入3,000円、M缶(135枚入)が4,100円・4,300円、L缶(180枚入)が5,200円・5,400円、SS缶(45枚入)が1,400円・1,600円。詰替用も用意されています。

もうひとつの柱が特製のり茶漬。茶碗からあふれるほどのやきのりを、あられや抹茶とともに閉じ込めたもので、箱入10食分3,200円、5食分1,600円、単品(1食分12g)300円。もともとは平成元年、4棟目となる現在の建物の竣工式の記念品でした。それが生産が追いつかず入荷待ちになるほどの人気商品に育っています。

やきのり食べきりパック 巾着袋入(10パック・青/黄/ピンク)は各1,700円。これは平成28年に大田区「大田のお土産100選」に入賞した商品です。ほかに平やきのり(特上2,000円/金1,500円/青1,000円)、手巻やきのり1,100円、もみのり20g 700円、小豆島の丸島醤油とつくった佃煮ひしお煮(100g)1,000円などがあります(公式通販・2026年10月8日確認/価格は変動することがあります)。

変わった売り方もしています。海苔の自動販売機が2か所にあり、1号機は西友大森店1階キネカ側入口(JR大森駅東口から徒歩2分ほど)で24時間、2号機は東京メトロ南北線 麻布十番駅で東京メトロの始発から終電まで稼働しています(公式サイト・2026年10月8日確認)。

店を訪ねる

  • 会社名:株式会社守半海苔店
  • 住所:〒143-0016 東京都大田区大森北1-29-3
  • 電話:0120-62-4077(FAX 03-3761-4099)
  • 営業時間:平日10:00〜19:00/土曜10:00〜18:00/祝日10:00〜17:00
  • 定休日:日曜・月曜(年末年始、その他臨時休業あり)
  • 公式サイト:守半海苔店
  • 老舗通販.net:守半海苔店の品を見る
  • agataJapanの老舗ページ:守半海苔店

※営業情報は公式サイトの店舗案内によります(2026年10月8日確認)。当サイトの老舗ページは定休日を「日曜、年末年始」としていましたが、公式サイトの「日曜・月曜」に合わせて更新しました(2026年10月8日)。なお第三者サイトには平日9:00開店と記載したものもあります。本記事は公式サイトを採用しました。お出かけ前に店舗へご確認ください。

老舗通販.netにも出店しています。特製海苔茶漬(10食箱入/5食入)、ひしお煮、やきのりセットなどを取り寄せられます(2026年10月8日確認/購入制限が設けられている商品があります)。

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この動画は、YouTubeチャンネル「日本の老舗」で公開している当主インタビュー番組「伝統はイノベーションの連続である」(CICライブシリーズ)の一本です。3代100年続いてきた秘訣を、当主ご本人の言葉で聞く番組です。ほかの回は連載「動画で見る日本の老舗」からご覧ください。

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