熱海駅から海へ向かって歩くと、干物屋の看板が次々と現れます。この一帯は「干物銀座」と呼ばれ、約400メートルに30店以上が軒を連ねるとされます。その銀座町に本店を置くのが釜鶴ひもの店——江戸末期から続く、熱海でもっとも古い干物店のひとつです。
店の特徴は、はっきりしています。食品添加物を一切使わない。YouTubeチャンネル「日本の老舗」では、五代目当主の二見一輝瑠(ふたみ ひかる)さんが、その姿勢と店の歩みを語っています。
動画とあわせて、熱海がなぜ干物の町になったのか、そして「釜鶴」という屋号がどこから来たのかを整理しました。
公開日:2022年8月1日/再生時間:30分32秒
動画の見どころ
- 熱海の干物店が、3代100年以上続いてきた秘訣
- 添加物を使わないという判断を、代をまたいでどう守ってきたか
- 守ってきた製法と、変えてきた塩加減・干し加減
- 家訓や代替わりについて、普段あまり語られてこなかった話
- 五代目・二見一輝瑠さん自身の言葉で聞く、老舗の店づくり
※この回の概要欄には章立てのタイムスタンプがないため、番組の趣旨にそって見どころを箇条書きで示しています。
釜鶴とは——創業はいつで、何代目か
創業は江戸時代末期。公式サイトは「創業150余年」と記し、親子五代にわたって続く干物専門店としています。動画に登場する二見一輝瑠さんが五代目の店主です。(出典:釜鶴ひもの店公式サイト、oising.jp 掲載インタビュー、2026年10月2日確認)
※創業年については、公式サイトが「創業150余年」「江戸時代から続く」と記す一方で、ページによって「160年の伝統」との表記もあります。西暦・和暦での具体的な創業年は確認できなかったため、本記事では「江戸時代末期」としています。(2026年10月2日確認)
屋号の由来については、静岡県の観光情報サイトが、熱海の漁民の英雄として知られる釜鳴屋平七の子が江戸時代末期に創業した老舗干物店が「釜鶴」である、と記しています。「釜」の一字がそこから来ているという説明です。(出典:静岡県観光「熱海の干物」、2026年10月2日確認)
なぜ熱海は干物の町になったのか
熱海の干物づくりは江戸時代末期にさかのぼります。近隣の網代港で水揚げされる魚を使い、アジを筆頭に、カツオ、イワシ、イカ、かさご、鯛、さば、のどぐろ、金目鯛、伊勢エビまでが干物になります。刺身にできる鮮度の魚を昔ながらの手法で天日干しにすると、身がふっくらと仕上がり、旨みが凝縮する——これが熱海の干物の売りです。(出典:静岡県観光「熱海の干物」、2026年10月2日確認)
温泉地という条件がここに重なります。湯治や観光で人が集まる町に、持ち帰れる海の産物がある。干物が「熱海みやげの代名詞」になり、駅前から海側へ干物屋が連なる風景が生まれました。釜鶴の本店が置かれた銀座町は、その中心にあたります。
添加物を使わないという選択
五代目は、添加物を使わない理由をごく簡単に説明しています。昔から使っていないので、自分の代でも使う必要はない、と。日持ちのために今から添加物を入れる気はないという立場です。塩辛については、前の工場長の時代には添加物を使っていたものを、自分の代で烏賊と塩だけに切り替えたと語っています。(出典:oising.jp 掲載インタビュー、2026年10月2日確認)
塩については、30種類ほどを試したうえで「どんな塩でもさほど変わらない」と判断したといいます。大事なのは塩の銘柄ではなく塩梅(しおかげん)のほう。脂の少ない新鮮な地魚に合わせて塩加減と干し加減を調整し、脂と水分を残した状態で仕上げるよう、作り方も素材も変えてきた——守るために変えている、という話です。(出典:同上)
看板商品には、甘鯛、あじ、伊勢海老、のどぐろ、各種のイカが並びます。「天使の海老」は工場の職人の発想から生まれた商品で、海外産ながらリピーターが多いといいます。(出典:同上)
買う・訪ねる
- 老舗通販.netの商品ページ:釜鶴(老舗通販.net)
- 公式サイト:釜鶴ひもの店
- 本店:静岡県熱海市銀座町10-18/0557-81-2172(フリーダイヤル 0120-49-2172)/9:00〜17:00/定休日なし
- エリアページ:静岡県の老舗
営業情報は公式サイト「お店案内」の記載にもとづきます(2026年10月2日確認)。研修会や大掃除による臨時休業が案内されることがあるため、訪問前に公式サイトをご確認ください。
老舗通販.netでは、あじ10枚セット、金目鯛、天使の海老、干物の詰め合わせ(A・Bセット)などを扱っています。品目によって在庫切れ・一時休売の表示があります(2026年10月2日確認)。
海の産物を扱う老舗の回としては、山本海苔店(東京・日本橋/味付け海苔)や海老屋總本舗(東京・墨田区/若煮佃煮)の記事もあわせてご覧ください。
老舗フェスティバル2026 by agataJapan
agataJapanでは毎年、日本が世界に誇る老舗の技術と文化に触れられるイベント「老舗フェスティバル by agataJapan」を開催しています。2026年は日本橋で開催します。
- 日時:2026年10月3日(土)10:00〜18:00(予定)
- 会場:福徳の森・仲通り周辺(東京都中央区日本橋室町2-5-10)
- 入場:無料(飲食・セミナーなどは別途費用)
- 内容:老舗・ご当地マルシェ、伝統工芸ワークショップ、全国の酒蔵による日本酒の飲み比べ、老舗サミット、ステージパフォーマンスほか
- 詳細:老舗フェスティバル2026 by agataJapan
- チケット・特設ページ:老舗通販.net 老舗フェスティバル2026特設ページ
会場に隣接する福徳神社は、古くから商売繁盛の祈願で親しまれてきた神社です。老舗の逸品を手に取りながら、日本橋の歴史と文化に親しむ一日をお過ごしください。
100年続く老舗の品を、お取り寄せで
「老舗通販.net」は、3代100年以上続く老舗だけが参加する通販サイトです。2010年の開設以来、全国の老舗の品を扱ってきました。遠方でお店に足を運べない方も、ここから取り寄せられます。
YouTubeチャンネル「日本の老舗」
この動画を公開しているYouTubeチャンネル「日本の老舗」では、3代100年以上続く老舗のご当主に、伝統と革新、家訓など普段あまり語られてこなかったことを聞くインタビュー番組「伝統はイノベーションの連続である」(CICライブ)を配信しています。ほかの回は動画で見る日本の老舗からご覧ください。
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