長崎の人に「子どものころのケーキ」を尋ねると、かなりの確率で同じ名前が返ってきます。シースクリーム——きめの細かいスポンジにカスタードクリームをはさみ、生クリームを絞って黄桃とパイナップルをのせた、昭和の面影をそのまま残した一品です。これを生み出したのが、長崎市浜町の梅月堂です。
創業は明治27年3月(1894年)。初代・本田兼作が長崎市大浦町に店を開き、130年を超えて続いています。YouTubeチャンネル「日本の老舗」では、四代目当主の本田時夫さんが、3代100年以上続いてきた理由を語っています。(出典:梅月堂公式サイト「会社概要」、2026年10月2日確認)
動画とあわせて、シースクリームが生まれた経緯と、長崎の菓子文化のなかで梅月堂が何を担ってきたのかを整理しました。
公開日:2022年8月3日/再生時間:30分34秒
動画の見どころ
- 長崎の菓子店が、3代100年以上続いてきた秘訣
- 守ってきた味と、時代に合わせて変えてきたこと
- 家訓や代替わりについて、普段あまり語られてこなかった話
- 四代目当主・本田時夫さん自身の言葉で聞く、老舗の経営
- 洋菓子と和菓子の両方を扱う菓子店としての立ち位置
※この回の概要欄には章立てのタイムスタンプがないため、番組の趣旨にそって見どころを箇条書きで示しています。
梅月堂とは——創業は何年で、何代目か
創業は明治27年3月(1894年)。初代・本田兼作が長崎市大浦町で「梅月堂」を創業しました。公式サイトの沿革によれば、1913年に元石灰町へ移り、1927年に現在地の浜町で移転開業。1958年に法人化し、1983年に株式会社へ組織変更して工場を新設しています。動画に登場する本田時夫さんは四代目当主です。(出典:梅月堂公式サイト「会社概要」、2026年10月2日確認)
2024年には創業130周年を迎え、記念の特設サイトが公開されました。長崎市の中心商店街・浜町に本店を置き、市内および近郊に複数の店舗を構えています。
シースクリームとは何か——1955年、三代目が生んだ長崎の定番
シースクリームが生まれたのは1955年(昭和30年)。三代目の久喜さんが「これからは生クリームの時代になる」と考えて考案したものです。当時の洋菓子はバタークリームが主流で、生クリームを使ったケーキはまだ珍しかった時代の判断でした。(出典:日本商工会議所「日商 Assist Biz」掲載記事、2026年10月2日確認)
名前の由来は、ケーキの形が豆のさやに似ていたことから、さやを意味する英語sheathを当てたもの。のちに sheath は刀のさやを指す語で、豆のさやは pod が正しいと判明したため、独自のつづりceeceに変更されたという経緯があります。老舗の商品名に、こうした途中の修正がそのまま歴史として残っているのは珍しいことです。(出典:同上)
桃カステラ——長崎の祝い菓子という土地の文脈
梅月堂のもう一つの看板が桃カステラです。桃カステラは、カステラの上にすり蜜で桃をかたどり、葉や枝を餡などで表した長崎市の郷土菓子。長崎では、女児が初節句を迎えた家から親戚や知人へのお返し(内祝い)として贈る習わしがあり、現在は宮参りや婚礼、出産祝いの縁起物としても広く使われています。桃は中国で古くから長寿の象徴とされ、同じ形の点心が中国にもあります。(出典:Wikipedia「桃カステラ」、2026年10月2日確認)
カステラ自体が、南蛮貿易を通じてポルトガルから長崎に伝わった菓子です。その土地の菓子店が、カステラを土台にした祝い菓子と、戦後の洋菓子の定番を同時に抱えている——梅月堂の品ぞろえは、長崎が外から来たものを受け入れて自分のものにしてきた歴史の縮図とも読めます。「南蛮おるごおる」のような菓子名にも、その土地の記憶が残っています。
買う・訪ねる
シースクリームは冷凍品として老舗通販.netで取り扱いがあり、桃カステラや南蛮おるごおるも同じページから取り寄せられます。
- 老舗通販.netの商品ページ:梅月堂(老舗通販.net)
- 公式サイト:梅月堂
- 本店/サロン・ド・フィーヌ:長崎県長崎市浜町7-3/095-825-3228/10:00〜19:00(併設カフェは11:00〜17:30、L.O.17:00)
- 本部工場・多良見店:長崎県諫早市多良見町市布1530/0957-56-8558
- エリアページ:長崎県の老舗
営業情報は公式サイト「店舗紹介」の記載にもとづきます(2026年10月2日確認)。定休日は公式サイトに明記がないため、ご来店前に店舗へご確認ください。
同じく菓子の老舗を取り上げた回として、萬年堂本店(東京・銀座)や塩瀬総本家(東京・明石町)の記事もあわせてご覧ください。
老舗フェスティバル2026 by agataJapan
agataJapanでは毎年、日本が世界に誇る老舗の技術と文化に触れられるイベント「老舗フェスティバル by agataJapan」を開催しています。2026年は日本橋で開催します。
- 日時:2026年10月3日(土)10:00〜18:00(予定)
- 会場:福徳の森・仲通り周辺(東京都中央区日本橋室町2-5-10)
- 入場:無料(飲食・セミナーなどは別途費用)
- 内容:老舗・ご当地マルシェ、伝統工芸ワークショップ、全国の酒蔵による日本酒の飲み比べ、老舗サミット、ステージパフォーマンスほか
- 詳細:老舗フェスティバル2026 by agataJapan
- チケット・特設ページ:老舗通販.net 老舗フェスティバル2026特設ページ
会場に隣接する福徳神社は、古くから商売繁盛の祈願で親しまれてきた神社です。老舗の逸品を手に取りながら、日本橋の歴史と文化に親しむ一日をお過ごしください。
100年続く老舗の品を、お取り寄せで
「老舗通販.net」は、3代100年以上続く老舗だけが参加する通販サイトです。2010年の開設以来、全国の老舗の品を扱ってきました。遠方でお店に足を運べない方も、ここから取り寄せられます。
YouTubeチャンネル「日本の老舗」
この動画を公開しているYouTubeチャンネル「日本の老舗」では、3代100年以上続く老舗のご当主に、伝統と革新、家訓など普段あまり語られてこなかったことを聞くインタビュー番組「伝統はイノベーションの連続である」(CICライブ)を配信しています。ほかの回は動画で見る日本の老舗からご覧ください。
老舗のブランディング・販路開拓のご相談
スターマーク株式会社は、老舗通販.net の運営とagataJapanのメディア運営を通じて、老舗の魅力を国内外に伝える仕事をしています。自社の歴史や技術をどう伝えればよいか、ECや海外向けの販路をどう広げるか——そうしたご相談はスターマークのお問合せフォームからお寄せください。







