吉德 浅草橋本店

創業 正徳元年(1711年)

革新を続けて300余年。伝統と現代が生きる節句人形

一歩足を踏み入れると美しい人形がずらりと並ぶ店内。特に、取材に訪れた1月は、ちょうど雛祭りの前とあって、優美なお雛様たちが迎えてくれました。一つひとつの人形のお顔をじっくり見ていくと、それぞれに個性と美しさが感じられ、CMでお馴染みの「人形は顔がいのち」のキャッチフレーズにも納得です。

「顔には職人の技術が顕著に現れます。顔の美しさが人形の品質を決めると言っても過言ではありません」と12代目ご当主の山田德兵衞さん。どのお雛様を選ぶか、その好みは人ぞれぞれですが、吉德の人形はいずれも気品のあるお顔です。

ちなみに、雛人形は分業制でつくられます。顔や髪、からだ、手足から着物や道具に至るまで、それぞれの部位に複数の職人集団が関わり、人形が出来上がるまでの工程は数百にものぼるそう。吉德は、いわばプロデューサーあるいはディレクターとして、こうした人たちにイメージを伝え、指示を出して吉德ならではの人形をつくり出しているのです。そして、時代の要求を敏感に取り入れながら、常に新しい切り口でお客様の要望に応えてきました。

吉德の本店4階には「吉德これくしょん展示室」があり、ここでは日本の人形玩具研究の第一人者だった10代目がコレクションした人形や資料を見ることができます。所蔵品の多くが台東区有形民俗文化財になっている貴重な品々は、まさに圧巻。日本の人形の奥深さを知ることで、人形選びはさらに楽しいものになりそうです。

沿革

初代治郎兵衛が、現在も本店を置く浅草橋の地で人形や玩具を扱う商いを始めた東京最古の人形店です。正徳元年(1711年)に、徳川6代将軍の徳川家宣公より「吉野屋」の屋号をいただき、この時を創業年としています。6代目以降、当主が代々「山田德兵衞」を名乗るようになったことから、吉野屋の屋号と德兵衞の名を取り、明治6年(1873年)に「吉德」を正式社名としました。雛人形や五月人形などの節句人形のほか、ぬいぐるみなど、時代に応じて商品のラインナップを広げています。現在は浅草橋の本店のほか、全国に支店があります。

お雛様は、新しい命の誕生を祝い、その成長を祈る人形です。

節句人形は、美しい玩具であると同時に、子どもの誕生を祝い、災いを除けて、健やかな成長を祈る意味があります。ご家族が子どもを想う気持ちは昔も今も変わりません。古くからの日本の習わしを伝え、日本の伝統文化が息づく人形に親しんでいただくお手伝いをするのも、私たちの大切な役目だと考えています。

注目のこの逸品

雛人形

(写真は衣裳着五人飾り)220,000円

近年は男雛と女雛のみの親王飾りや、男雛と女雛に三人官女を加えた五人飾りなど、コンパクトに飾れるものが人気。お顔だちのほか、屏風の柄や台座の色を洋風のインテリアにも合う雰囲気に仕上げるなど、時代の変化に合わせて雛人形も変化しています。もちろん伝統的な段飾りも取り揃えられており、幅広いラインナップから選ぶことができます。

五月人形

(写真は飛龍大鎧10号高床台飾り)280,000円

男の子の誕生を祝う五月人形は、勇ましい飛龍シリーズの甲冑が人気。出世の象徴である龍のモチーフが各所に使われています。兜の鍬形には透かし彫の龍。吹き返しやはいだて、屏風にも躍動感溢れる双龍があしらわれています。

ぬいぐるみ

吉德は、ぬいぐるみメーカーとしても65年以上の歴史があり、キャラクターもののほか、動物園やテーマパークなどで販売される商品も手がけています。いつの時代も人気のあるクマやゾウから、ぬいぐるみとしては珍しいアリクイなどまで多種多彩。そのかわいさに思わず笑みがこぼれます。


スポット概要

住所東京都台東区浅草橋1-9-14
電話03-3863-4419
営業時間9:30~17:15 ※1月2日〜5月5日までは18:00まで営業
定休日不定休 ※1月2日〜5月5日までは無休
支払い方法現金・クレジットカード・QRコード決済(PayPay)
外部リンク公式ホームページ
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