丸亀城の城下、米屋町の一角に、築百二十年を超える木造の菓子屋が建っています。寳月堂(ほうげつどう)——讃岐の和三盆を軸に、丸亀の祝い菓子「おいり」や栗饅頭をつくり続けてきた和菓子店です。店舗そのものが2017年に文化庁の登録有形文化財となりました。
創業は大正6年(1917年)。YouTubeチャンネル「日本の老舗」では、五代目の桑田桃子さんが、3代100年以上続いてきた理由を語っています。(出典:寳月堂公式サイト「会社概要」、2026年10月2日確認)
動画とあわせて、讃岐の和三盆という土地の砂糖が持つ背景と、丸亀の菓子文化のなかで寳月堂が置かれている位置を整理しました。
公開日:2022年8月2日/再生時間:27分35秒
動画の見どころ
- 城下町の和菓子店が、3代100年以上続いてきた秘訣
- 守ってきた製法と、新しくつくってきた菓子のあいだの線引き
- 家訓や代替わりについて、普段あまり語られてこなかった話
- 五代目・桑田桃子さん自身の言葉で聞く、老舗の継ぎ方
- 讃岐の素材である和三盆を主役に据えるという選択
※この回の概要欄には章立てのタイムスタンプがないため、番組の趣旨にそって見どころを箇条書きで示しています。
寳月堂とは——創業は何年で、何代目か
創業は1917年(大正6年)、香川県丸亀市米屋町。2024年で創業107年を数えます。店舗として使っている建物はさらに古く、2024年時点で築128年。この本店は2017年に文化庁の登録有形文化財となりました。動画に登場する桑田桃子さんは五代目です(2025年8月のFM香川の番組でも「寶月堂5代目」として紹介されています)。(出典:寳月堂公式サイト、丸亀市WEBライター塾、FM香川、いずれも2026年10月2日確認)
※寳月堂公式サイトの会社概要欄には、代表取締役として桑田桃子さんとは別のお名前が記載されています。本記事では、動画に出演し各種媒体で五代目として紹介されている桑田桃子さんを「五代目」として扱っています。(2026年10月2日確認)
和三盆とは何か——「三度研ぐ」という日本独自の工程
和三盆は、主に香川県と徳島県で伝統的につくられてきた含蜜糖の一種です。美しい色、細かな粒子、口溶けのよさと、後に引かないすっきりした甘さが特徴とされます。名前の「三盆」は、盆の上で砂糖を三度「研ぐ」という日本独自の精糖工程に由来します。(出典:Wikipedia「和三盆」、2026年10月2日確認)
原料に使われてきたのは、地元の在来品種竹糖(ちくとう)。熱帯向けの一般的なサトウキビとは別の、温帯での生育に適したイネ科シネンセ種です。讃岐では寛政11年(1799年)に白砂糖づくりに成功し、天保11年(1840年)に「セッカイ製法」が確立して、現在の和三盆が完成したとされます。香川県産は讃岐和三盆糖、徳島県産は阿波和三盆糖と呼び分けられます。(出典:同上)
寳月堂の「CUBEわさんぼん」「花笑糖」「香川本鷹入り和三盆 辛糖」といった商品は、この讃岐三盆糖を主役に据えたものです。土佐しょうがや瀬戸内レモン、香川本鷹(唐辛子)を合わせるなど、砂糖そのものを菓子として立たせる作り方をしています。
おいりと京極さま——丸亀という土地の菓子
おいりは直径1cmほどの玉状のあられで、外は薄い殻のような食感、中は空洞で口に入れるとすぐ溶けます。もち米を主原料とし、桃色・緑・白・空色・紫・オレンジといったパステル調の色合いが特徴です。香川県の中西部から愛媛県西条市以東で生産され、香川では嫁入り道具として結婚式の披露宴で用いられる菓子として知られています。(出典:Wikipedia「おいり」、2026年10月2日確認)
もう一つの銘菓「京極さま」は、伝統和菓子の桃山をアレンジした焼き菓子です。黄みあんを練り込んだ生地に白あんを詰め、表面の艶はみりんによるもの。名は丸亀の地を200年以上治めた丸亀城主・京極家に由来し、「京」の字があしらわれています。京極家の子孫が代々買い求めているという話も伝わります。(出典:丸亀市WEBライター塾、2026年10月2日確認)
城下町の菓子屋が、土地の砂糖、土地の婚礼菓子、土地の殿様の名を冠した菓子を同時に抱えている——寳月堂の品ぞろえは、丸亀という町の記憶がそのまま並んでいるようなものです。
買う・訪ねる
- 老舗通販.netの商品ページ:寳月堂(老舗通販.net)
- 公式サイト:御菓子司 寳月堂
- 本店:香川県丸亀市米屋町16/0877-23-0300/9:00〜17:30/定休日 水曜(祝日・繁忙期は9:00〜17:00で営業する場合あり)
- エリアページ:香川県の老舗
営業情報は公式サイト「会社概要」の記載にもとづきます(2026年10月2日確認)。公式サイトでは、かき氷の提供期間(4月24日〜10月12日・12:00〜16:00)も案内されています。
和三盆や栗饅頭といった菓子の系譜に関心のある方は、龍昇亭西むら(東京・台東区/栗むし羊かん)や青野総本舗(東京・港区/鶯もち)の記事もあわせてご覧ください。
老舗フェスティバル2026 by agataJapan
agataJapanでは毎年、日本が世界に誇る老舗の技術と文化に触れられるイベント「老舗フェスティバル by agataJapan」を開催しています。2026年は日本橋で開催します。
- 日時:2026年10月3日(土)10:00〜18:00(予定)
- 会場:福徳の森・仲通り周辺(東京都中央区日本橋室町2-5-10)
- 入場:無料(飲食・セミナーなどは別途費用)
- 内容:老舗・ご当地マルシェ、伝統工芸ワークショップ、全国の酒蔵による日本酒の飲み比べ、老舗サミット、ステージパフォーマンスほか
- 詳細:老舗フェスティバル2026 by agataJapan
- チケット・特設ページ:老舗通販.net 老舗フェスティバル2026特設ページ
会場に隣接する福徳神社は、古くから商売繁盛の祈願で親しまれてきた神社です。老舗の逸品を手に取りながら、日本橋の歴史と文化に親しむ一日をお過ごしください。
100年続く老舗の品を、お取り寄せで
「老舗通販.net」は、3代100年以上続く老舗だけが参加する通販サイトです。2010年の開設以来、全国の老舗の品を扱ってきました。遠方でお店に足を運べない方も、ここから取り寄せられます。
YouTubeチャンネル「日本の老舗」
この動画を公開しているYouTubeチャンネル「日本の老舗」では、3代100年以上続く老舗のご当主に、伝統と革新、家訓など普段あまり語られてこなかったことを聞くインタビュー番組「伝統はイノベーションの連続である」(CICライブ)を配信しています。ほかの回は動画で見る日本の老舗からご覧ください。
老舗のブランディング・販路開拓のご相談
スターマーク株式会社は、老舗通販.net の運営とagataJapanのメディア運営を通じて、老舗の魅力を国内外に伝える仕事をしています。自社の歴史や技術をどう伝えればよいか、ECや海外向けの販路をどう広げるか——そうしたご相談はスターマークのお問合せフォームからお寄せください。






