【第19回】家庭でも美味しく乾麺の蕎麦を茹でる方法

芝大門 更科布屋 店主の独り言更科そば蕎麦

「天ぷら」「そば」「寿司」「うなぎ」は、江戸を代表する「食」と言われ、それぞれが江戸の庶民文化の中で培われてきました。このコラムでは、そば店の店主として、そばにまつわる面白い話や、一般的には知られていないそばにまつわる意外な事実などをお伝えします。そば文化をより知っていただくきっかけになれば幸いです。※当コラムは「芝大門  更科布屋」の店内で、月に1話、お客様に配っているリーフレットから転載しております。

意外と家庭でも食べられている蕎麦

ある飲料メーカーの調査で「蕎麦はどこで食べますか?」という質問項目に対して、蕎麦店で65% 家庭で35%という結果が示されていました。男女別の集計では、男性は蕎麦店で68% 家庭で28%、女性は蕎麦店で57% 家庭で37%(その他は居酒屋・社員食堂など)だそうです。蕎麦屋の我々にとっては意外と家庭でも食べられているなと感じました。

私たち蕎麦専門店では熟練の職人が毎日朝早くから“木鉢”に向かい“生そば”を拵えています。それゆえ乾麺を茹でてお客様に提供しているような店はありません。それはもちろん、生そばの方が味・香り・食感とも優れているからなのですが、乾麺にもそれなりの長所(保存の良さと取り扱いやすさ)があります。

元々保存食である乾麺は常備しておけばいつでも好きな時に召し上がって頂けますし、水分が少ないので大きな釜の用意ができないご家庭でも上手く茹でることができます。ただその茹で方にはコツがあって、いくつかのポイントを知っていればいつもとはひと味違うおそばを召し上がって頂けるようになります。そこで家庭での蕎麦=乾麺を美味しく茹でて頂くコツを伝授いたします。

蕎麦専門店店主直伝の乾麺の美味しい茹で方

材料:乾麺(一人前100g 程度が目安)
道具:できるだけ大きな鍋1つ・ざる2枚(深めのざると浅めのざる)・ステンレスボール2つ・せいろ(水きれの良い皿)・氷

1. 2つのステンレスボールに水を張り、そのうちの一つのボールにはたっぷり氷を入れておく。
2. 鍋にお湯を張って火にかける。
3. 完全に沸騰したらそばをほぐし入れる。
4.そばが柔らかくなったら菜箸でゆっくり混ぜる。
5.火の勢いは変えず、吹きこぼれそうになったら差し水をし、そばが湯の中で対流するように注意する。
※表示されているゆで時間が来たら、麺を1,2本氷水につけて味見をし、ゆで加減を確かめる。よく言われる様な芯を残してはいけません。
6. ゆであがったら深めのざるにあけ、用意しておいたボールの水を一気にかける。
7. そばの入ったざるをステンレスボールに入れ、流水でよく洗う。水道の蛇口にはシャワーをつけておいた方が、
水がそば全体にかかります。ざるにそばをこすりつけるようにして、ぬめりをよく取りましょう。
8. 洗い終わったら、用意しておいた氷水にそばをあけ、30秒ほどよく冷やす。
9. 冷えたそばを浅めのざるに小さくとってのせ、余分な水気を切る。
10. せいろ等水きれの良い器に盛りつける。

これでいつもとは一味違った乾麺をお楽しみ頂けると思います、是非お試しあれ。

この記事を書いたのは…

寛政3年(1791年)、薬研堀(現在の東日本橋)で創業。大正2年(1913年)から増上寺門前にお店を構えるそば店「更科布屋」の7代目ご当主。芝の地で創業100年以上の伝統を有する老舗の会「芝百年会」の会長も務める。
更科布屋ホームページ

新着・おすすめ情報

  1. 色留袖

  2. 堀切菖蒲園(東京・堀切)

  3. 【駒形どぜう】冬限定の「なまずなべ」

  4. 榮太樓總本鋪 日本橋本店

  5. 【第9回】蕎麦屋で人気の「天せいろ」の歴史

  6. 大森貝塚遺跡庭園

  7. 本芝公園(東京・田町)

  8. 存在しつづけることが“ブランド”である。楊枝専門店『日本橋さるや』が考える、ブランドの在り方

  9. 洗い張り

  10. 飛鳥山公園

  11. 【麻布十番 豆源】人気の豆菓子詰合せに「父の日」の掛け紙をかけたギフトセットが発売中

  12. けんぴ

  13. 神忌祭(松明まつり)が亀戸天神社で開催!菅原道真を偲ぶ荘厳な春の火祭り

  14. 希少な材料に向き合い続ける『江戸鼈甲屋』。職人の技と、大切にしているもう1つのもの

  15. 「にごり酒」とは?種類も複数、味わいもさまざま【日本酒にまつわる言葉】