みやびの動画サムネイル

みやび|明治40年ごろ創業、卒塔婆から燻製チーズへ広げた老舗【動画】

墓に立てる卒塔婆(そとば)をつくる会社の、売上一番の商品が燻製チーズ——そう聞くと、話の順番が入れ替わっているように思えます。しかし東京都西多摩郡日の出町の有限会社みやびでは、それが現実です。

みやびは明治40年ごろ(1907年ごろ)から操業している材木屋で、神社仏閣で用いられる卒塔婆や護摩札、絵馬を製造・販売してきました。いまはそこに、特殊伐採や高枝取り、伐採木を再利用した木製家具、そして天然の桜チップを使った燻製食品が加わっています。2000年には有限会社みやびとして法人を設立しました。

YouTubeチャンネル「日本の老舗」では、この「異色の経営術」がどこから生まれたのかが語られています。動画とあわせて、日の出町が卒塔婆の産地になった歴史からたどってみました。

【異色の経営術】卒塔婆から燻製チーズで事業拡大!【みやび】(YouTubeチャンネル「日本の老舗」)

公開日:2024年3月6日/再生時間:9分44秒

動画の見どころ

  • 卒塔婆製造を基盤に、特殊伐採や木材再利用へ事業を広げてきた経緯
  • 寿命を終えた桜の木を、燻製用のチップとして使い切るという発想
  • 燻製チーズが主力商品になるまで
  • 会社を存続させることを第一に置きながら、事業内容は変えていくという考え方
  • 木のスペシャリストとしての仕事——イチョウのまな板と削り直しサービス
  • 大多摩うまいもの館という、地域のものを集めた店の役割

※この回の概要欄には章立てのタイムスタンプがないため、見どころを箇条書きで示しています。

みやびとは——創業はいつか

みやびは明治40年ごろ(1907年ごろ)から操業している材木屋です。事業の柱は多摩産の卒塔婆の製造・販売で、あわせて護摩札や絵馬も手がけてきました。2000年に有限会社みやびとして設立されています。現在の代表は伊藤雅夫さん。本社は東京都西多摩郡日の出町大久野2214、店舗の「大多摩うまいもの館 みやび工房」は同町大久野6700にあります。(出典:有限会社みやび公式サイト、西の風新聞2022年1月27日付記事、agataJapan.tokyo「大多摩うまいもの館 みやび工房」、2026年10月1日確認)

※agataJapan.tokyoの紹介ページには冒頭に「明治40年頃(1910年頃)」との記載がありますが、明治40年は1907年にあたります。本記事では和暦を基準に「明治40年ごろ(1907年ごろ)」としました。(2026年10月1日確認)

日の出町はなぜ卒塔婆の産地なのか

卒塔婆という言葉は、サンスクリット語のストゥーパ(stūpa)に由来します。もともとは釈迦の遺骨を納めた塚を指す言葉で、それが日本では供養のために墓に立てる細長い板を意味するようになりました。

その卒塔婆の全国の60〜70%が、日の出町で作られています。理由は二つあります。一つは、大久野の一帯に卒塔婆に適した樅(もみ)の木が多かったこと。もう一つは、大消費地だった江戸に近く、運搬の日数と費用がかからなかったことです。元禄時代に文右衛門と惣兵衛という二人が伊勢参りの際に僧から卒塔婆の製造法を学び、帰郷後に本格化させたと伝えられています。(出典:「卒塔婆屋さん」ウェブサイト、2026年10月1日確認)

樅が選ばれたのは、表面が真っ白できれいで、墨で書いてもにじまず、吸い込みがよいので速乾性に優れていたからです。日の出町の樅は伐採後に杉へ置き換えられ、現在は主に輸入材が使われています。

同じ日の出町には、田中卒塔婆WORKSという創業1912年の卒塔婆メーカーもあります。この町が一つの産業の集積地であることが、みやびの立ち位置を理解する前提になります。

桜の木を使い切る——燻製という出口

みやびのもう一つの顔は特殊伐採です。重機が入れない場所や、建物や電線が近くて普通には倒せない木を、登って上から切り分けて降ろしていく仕事です。神社や寺、公園の桜のように、寿命を終えた大木を扱うことも少なくありません。

切った木は、そのままでは廃材になります。みやびはそこを二方向に開きました。一つは伐採木を再利用した木製家具と無垢材の一枚板。もう一つが天然桜100%のチップを使った燻製です。桜のチップは燻製用の材として知られていますが、それを外から買うのではなく、自分たちが切った木から用意できる——これがみやびの強みになっています。

卒塔婆も、家具も、燻製も、根っこは同じ「木を扱う仕事」です。業種が飛んでいるように見えて、技術と資源の流れでつながっている。動画で語られる「会社の存続を第一に置きながら、時代に合わせて事業内容を柔軟に変えていく」という考え方は、この一本の線の上にあります。

イチョウのまな板と削り直し

みやび工房では、自社でつくるイチョウのまな板も扱っています。イチョウは適度な油分を含み、抗菌性があり、刃当たりがやわらかく包丁の傷が埋まりやすいという性質から、まな板材として古くから好まれてきました。

みやびは大型の専用かんなを備え、使い込んで表面が荒れたまな板の削り直しも請け負っています。売って終わりにせず、何年も先まで面倒を見る——木工の店としての本業がここに出ています。

何が名物か——くんせい三品とまな板

  • くんせいチーズ ブロック……756円。天然桜100%のチップを贅沢に使い、一つひとつ手作りされた一番人気の商品。燻香がきつすぎず、チーズの旨みが凝縮されています。ワインやウイスキーに合います
  • くんせいカシューナッツ……432円。カシューナッツ本来のほのかな甘みと塩味に、桜の燻香が重なります。ビールのおつまみに
  • くんせいあわび……1,620円。東京・日の出町の清らかな水を海水化して蓄養したあわびを燻製に。6〜7年かけて育てた大粒のものを使い、贈答品にも選ばれます
  • くんせい柿の種/くんせい柿の種&カシュー……チャンネルの【老舗の逸品】シリーズでも紹介されている商品
  • イチョウのまな板・無垢材の一枚板……削り直しなどのアフターサービスがあります

※取り扱い商品と価格は時期によって変わります。最新の品揃えは公式サイトか店舗でご確認ください。(2026年10月1日確認)

買う・訪ねる

  • 大多摩うまいもの館 みやび工房:〒190-0181 東京都西多摩郡日の出町大久野6700(電話 042-597-7411)
  • 営業時間:10:00〜17:00/定休日 月曜日(冬季 1月20日〜2月28日は月曜・金曜定休)
  • 本社:東京都西多摩郡日の出町大久野2214
  • 公式サイト:有限会社みやび
  • agataJapan.tokyoの紹介ページ:大多摩うまいもの館 みやび工房
  • エリアで探す:東京都の老舗

※営業情報は公式サイトとagataJapan.tokyoの掲載内容です(2026年10月1日確認)。変更される場合があるため、お出かけ前にご確認ください。店内では食品の試食もでき、奥多摩へのドライブがてら立ち寄る人も多い店です。

※みやびの品は老舗通販.netでは取り扱いがありません(2026年10月1日確認)。店舗か公式サイトでお求めください。

あわせて読みたい(多摩・西多摩の老舗):田中卒塔婆WORKS|創業1912年、樅の卒塔婆と樅100を四代目が語る【動画】/寿美屋|創業1873年、五日市の乾麺と手打ち蕎麦を四代目が語る【動画】/小澤酒造|創業1702年、東京の名水と澤乃井を二十三代目が語る【動画】

老舗フェスティバル2026で全国の老舗に会える

agataJapanでは毎年、日本が世界に誇る老舗の技術と文化に触れられるイベント「老舗フェスティバル by agataJapan」を開催しています。2026年は日本橋で開催します。

  • 日時:2026年10月3日(土)10:00〜18:00(予定)
  • 会場:福徳の森・仲通り周辺(東京都中央区日本橋室町2-5-10)
  • 入場:無料(飲食・セミナーなどは別途費用)
  • 内容:老舗・ご当地マルシェ、伝統工芸ワークショップ、全国の酒蔵による日本酒の飲み比べ、老舗サミット、ステージパフォーマンスほか
  • 詳細:老舗フェスティバル2026 by agataJapan
  • チケット・特設ページ:老舗通販.net 老舗フェスティバル2026特設ページ

会場に隣接する福徳神社は、古くから商売繁盛の祈願で親しまれてきた神社です。老舗の逸品を手に取りながら、日本橋の歴史と文化に親しむ一日をお過ごしください。

100年続く老舗の品を、お取り寄せで

「老舗通販.net」は、3代100年以上続く老舗だけが参加する通販サイトです。2010年の開設以来、全国の老舗の品を扱ってきました。遠方でお店に足を運べない方も、ここから取り寄せられます。

老舗通販.net で老舗の品を探す

YouTubeチャンネル「日本の老舗」

この動画を公開しているYouTubeチャンネル「日本の老舗」では、創業100年を超える老舗の当主に、老舗を老舗たらしめる「五つの奥義」を語ってもらうインタビューシリーズを配信しています。ほかの回は動画で見る日本の老舗からご覧ください。

老舗のブランディング・販路開拓のご相談

スターマーク株式会社は、老舗通販.net の運営とagataJapanのメディア運営を通じて、老舗の魅力を国内外に伝える仕事をしています。自社の歴史や技術をどう伝えればよいか、ECや海外向けの販路をどう広げるか——そうしたご相談はスターマークのお問合せフォームからお寄せください。

新着・おすすめ情報

  1. 白木屋傳兵衞

  2. お客様の情報をノートにメモし、すべてのスタッフで共有する。「銀座みかわや」が徹底するおもてなしの心

  3. 寿美屋の動画サムネイル

    寿美屋|創業1873年、五日市の乾麺と手打ち蕎麦を四代目が語る【動画】

  4. 【羽二重団子】パイナップル団子 販売開始

  5. 江戸屋

  6. そばつゆの味こそが店の個性。『更科布屋』が守り続けてきた味とは

  7. 【榛原】「百花デザイン」のマスキングテープ

  8. 「目利きになれ」が家訓。 雲州松平家や表千家の茶道具を扱い、茶文化を支え続けてきた「玉鳳堂」

  9. にんべん 日本橋本店

  10. 【豆源麻布十番】オンラインショップにて“一個箱ギフト”販売中

  11. 【第6回】9月に当店で「生姜切りそば」を出す理由

  12. 【浅草梅園】季節限定-いちご大福

  13. 大角玉屋

  14. にんべん「五つの奥義」動画を公開しました

  15. 改良湯