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泉利昆布海産|創業1868年、手削りのおぼろ昆布を七代目が語る【動画】

だしの昆布と、削った昆布は、別の商売です。泉利昆布海産(いずり こんぶかいさん)は明治元年(1868年)に大阪・堺で創業した昆布専門店。いまは本社を高知市に置き、宿毛(すくも)の工場で手削りのおぼろ昆布をつくっています。創業の地である堺は、北前船が運んだ昆布と刃物の技術が出会った町。その削りの技を高知へ持っていき、職人を育てたのが戦後の判断でした。「昆布屋七代目」を名乗る代表取締役・泉谷伸司さんが、昆布という素材の可能性を語ります。

泉利昆布海産 七代目 当主 泉谷伸司氏(CICライブ/YouTubeチャンネル「日本の老舗」)/再生時間:45分30秒/公開:2021年10月18日

動画の見どころ

この回は章立て(チャプター)が設定されていないため、話題の並びを目次の形に整理しました。

  • 大阪・堺での創業と、高知へ工場を移した戦後の判断
  • おぼろ昆布を削る職人をどう育てるか
  • 手削りのおぼろ昆布と、機械で削るとろろ昆布の違い
  • 寿司屋に欠かせない白板昆布という仕事
  • だし以外の使い道——昆布塩、こぶ茶、佃煮への展開
  • 卸として、昆布のうまみをどう次の世代に伝えるか

泉利昆布海産の創業は何年か

創業は明治元年(1868年)です。大阪・堺で昆布専門店として始まりました(泉利昆布海産 公式サイト「会社概要」・2026年10月8日確認)。SNSのアカウント名にも「since1868」を用いています。2026年で158年になります。

法人としての設立は昭和47年(1972年)4月、社名は有限会社泉利昆布海産。資本金1,000万円、従業員36人(パート含む)で、業態は卸業です。取扱はおぼろ昆布、とろろ昆布、そのほかの海産乾物(公式サイト・2026年10月8日確認)。

当代は代表取締役・泉谷伸司さん。公式サイトには「昆布屋七代目の想い」というページがあり、その署名が代表取締役・泉谷伸司氏になっています。動画のタイトルも「七代目 当主」としています。ただし「七代目は泉谷伸司である」と明記した記載は見つからなかったため、本記事では同社が「昆布屋七代目」を名乗り、現在の代表取締役が泉谷伸司氏であるという形で記します(2026年10月8日確認)。

大阪・堺から高知へ——工場を動かした理由

この会社の沿革でおもしろいのは、創業の地と、いまつくっている場所が違うことです。

公式サイトの沿革は、こう記しています。明治元年に大阪・堺で創業。戦後、高知県四万十市に工場を移し、おぼろ昆布の職人の養成を始めた。そして2006年に宿毛市へ移転。現在の本社は高知市で、製造は宿毛工場が担っています(公式サイト・2026年10月8日確認)。工場を四万十へ移した具体的な年は、公式に記載がなく確認できませんでした。

動画の概要欄のハッシュタグが「高知」であるのに、会社の歴史は「堺」から始まる——この二つは矛盾しません。創業地が大阪・堺、現在地が高知県というだけのことです。そして堺という土地は、おぼろ昆布を語るうえで外せない場所でもあります。

なぜ堺で昆布が削られたのか

昆布は日本で採れる95%以上が北海道産で、残りは青森・岩手・宮城の三陸沿岸です(日本昆布協会・2026年10月8日確認)。真昆布は函館沿岸、羅臼昆布は羅臼沿岸、利尻昆布は利尻・礼文・稚内沿岸、日高昆布は日高沿岸——銘柄はそのまま産地の名前になっています。

その北海道の昆布が本州へ運ばれた道が「こんぶロード」です。鎌倉中期以降、松前と本州の間を交易船が行き交うようになり、江戸時代には北前船が下関から瀬戸内海を通る西廻り航路で大坂へ運びました。道はさらに江戸、九州、琉球王国、清へと延び、琉球は薩摩藩と清との昆布貿易の中継地として重要な役割を果たしました(日本昆布協会「昆布の歴史」・2026年10月8日確認)。

ここで堺が出てきます。大阪府の資料「大阪のだし」は、北前船の最終寄港地が堺だったと述べ、「堺には刃物の技術があったので、昆布を削っておぼろ昆布、とろろ昆布を作る」加工業が盛んになったと説明しています。昆布と刃物が同じ港で出会ったわけです。大正末期から昭和初めには手漉きの職人が約150人いたとされますが、堺昆布加工業協同組合の組合員は現在12業者、うち手加工を行っているのは4業者だけです(大阪府「大阪のだし」・2026年10月8日確認)。

泉利昆布海産が「日本でも数少ないおぼろ昆布職人」を抱えると説明し、戦後にわざわざ高知で職人の養成を始めたことの意味は、この数字を見ると分かります。削り手が減っていく技術を、産地から離れた土地で育て直したということです。

おぼろ昆布と、とろろ昆布はどう違うのか

同じ「削った昆布」でも、つくり方がまったく違います。

おぼろ昆布は、酢に浸した厚めの一枚物を表面から薄く削るもので、熟練の技が必要です。対してとろろ昆布は現在ほぼ機械加工で、昆布を重ねてブロックにし側面から削ります。おぼろ昆布を削ったあとに残る芯の部分が「バッテラ昆布」で、バッテラ寿司に使われますが、職人の減少で不足しているとされます。また、湿気の多い大阪の倉庫で寝かせると熟成して旨みが出るともいわれます(大阪府「大阪のだし」・2026年10月8日確認)。

手で削るか、機械で側面から削るか。この差が、そのまま「職人を育てる商売」と「量をつくる商売」の分かれ目になっています。

名物と取り寄せ

看板は職人が仕上げたおぼろ昆布と、寿司屋が使う白板昆布です。公式通販での価格は、おぼろ昆布450円、水晶昆布350円、きざみ昆布300円、高知家 寿司用 白板昆布(2枚入)800円、棹前寿司用昆布(55g)650円。おぼろ昆布の佃煮「サラちゃん」500円(6個セット2,800円)もあります。

だし以外の展開も並びます。昆布屋がつくった関西だし 素材だし1,400円、だしをとったあとまるごと食べられるだし昆布500円、昆布屋の造った昆布塩700円、こぶ茶・梅こぶ茶 各550円、卓上タイプ(日高・羅臼系鬼・利尻・真昆布)各600円。2024年2月には「土佐山の柚子香る 柚子胡椒わかめスープ」を発売しています(公式通販・2026年10月8日確認/価格は変動することがあります)。

老舗通販.netでも扱いがあります。昆布塩、こぶ茶、日高昆布ギフトセット、こぶ茶ギフトセットなどで、販路によって価格が異なります。上記は公式通販(izuri.base.shop)での価格です。

会社を訪ねる・問い合わせる

※所在地・電話は公式サイトの会社概要、営業時間・定休日は公式通販の特定商取引法に基づく表記によります(いずれも2026年10月8日確認)。公式サイトの会社概要ページには営業時間・定休日の記載がありません。卸を主とする会社のため、店頭での小売をご希望の場合はあらかじめご確認ください。

なお、社名の似た別会社の経営破綻に関する記事が検索結果に混ざることがありますが、本記事の泉利昆布海産(有限会社泉利昆布海産・高知市)とは無関係の別法人です。

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