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新橋玉木屋|創業1782年、江戸前佃煮と座禅豆を十代目が語る【動画】

東京・新橋で、1782年(天明2年)から佃煮と煮豆をつくり続けている「新橋玉木屋」。十代目当主の田巻恭子さんが、240年続いた店の歩みと、ワインに合わせる佃煮や「世界のふりかけ」といった新しい挑戦について語った45分のインタビューを紹介します。

動画はYouTubeチャンネル「日本の老舗」のご当主インタビュー番組「伝統はイノベーションの連続である」(CICライブ)の一本で、2022年4月8日に公開されました。収録は創業240年の記念日にあたる2022年4月6日に行われています。

新橋玉木屋 十代目当主 田巻恭子氏(CICライブ/30分27秒)

動画の見どころ

この回には章立てのタイムスタンプが付いていないため、話題の並びを目次として整理しました。

  • 創業は1782年(天明2年)4月6日。初代・田巻七兵衛が越後から江戸へ出て、禅僧に教わった方法で煮た黒豆「座禅豆」を天秤棒で売り歩いた
  • 明治中期から後期には、座禅豆を求める客が旧東海道の先まで行列をつくった。新橋の芸者衆が座敷に上がる前に煮汁を分けてもらいに来たという話
  • 三代目・七兵衛が佃島の漁民の製法に着想を得て、玉木屋独自の佃煮をつくり上げた
  • 九代目(現会長)が掲げた「みなさまにおいしいものをお届けする」というモットーと、10〜20年かけて塩加減を少しずつ見直してきた考え方
  • 接客の言葉として受け継がれる「ひくく、やさしく、あたたかく」
  • 十代目がコロナ禍に社長へ就任し、ワインに合う「秋刀魚ゲランド塩」を開発した経緯
  • 「世界のふりかけ」や「いちじくグラッセ」が生まれた背景と、ワイン専門店という新しい販路

新橋玉木屋とは — 創業は何年で、いま何代目か

新橋玉木屋の創業は1782年(天明2年)。越後国の通称・玉木村の出身だった初代・田巻七兵衛が江戸へ出て、家伝の「座禅豆」を売り出したのが始まりです。屋号の「玉木」は、この出身地に由来します。現在の当主は十代目で、動画に出演した田巻恭子さんがその十代目。九代目は恭子さんの母にあたり、現在は会長を務めています。公式サイトによれば、当主は代々「玉木屋七兵衛」の名を受け継いでいます。

創業の年は、公式サイトの「創業天明二年(1782年)」という記載と、agataJapanの新橋玉木屋の老舗ページの記載が一致しています。天明2年は西暦1782年にあたり、和暦と西暦の対応にも食い違いはありません(2026年10月4日確認)。

座禅豆から佃煮へ — 沿革

初代が売り歩いたのは、醤油と砂糖で甘く煮た黒豆「座禅豆」でした。十代目によれば、初代は禅僧からその煮方を教わり、「ざぜん、ざぜん」と声を上げて江戸市中を売り歩いたといいます。店は品川宿から日本橋へ続く旧東海道沿いに構えられました。

転機は三代目・七兵衛の代です。佃島の漁民が小魚を保存食として煮ていたことに着想を得て工夫を重ね、玉木屋独自の佃煮をつくり上げました。玉木屋の煮豆と佃煮は江戸の通人の好みに合い、江戸の風流人・方外道人が著した『江戸風物詩』にも取り上げられたと伝えられています。

店は創業の地・新橋に残り続けました。2022年8月、新橋4丁目の新虎通り(環状二号)に本店を移転。十代目が動画のなかで「今の良さを大切にしながらも、新しさを加えたお店にしたい」と語っていた、その店です。

佃煮はなぜ江戸で生まれたのか — 業種と地域の背景

佃煮の名は、隅田川河口の佃島に由来します。徳川家康が摂津国佃村(現在の大阪市西淀川区佃)の漁師を江戸に呼び寄せ、河口の干潟を埋め立てて住まわせた島が佃島です。その漁民が小魚を塩辛く煮込んで保存食にし、余ったものを売り出したのが佃煮の始まりとされています。江戸前の佃煮が辛口で濃い味つけなのは、夏の常温でもおにぎりや弁当に入れて傷まないようにするためでした。参勤交代の武士が江戸の名物として各地へ持ち帰ったことで、全国へ広まったといわれます(2026年10月4日、Wikipedia「佃煮」で確認)。

材料はもともと、ワカサギやイカナゴのような小魚、アサリなどの貝類、昆布などの海藻が中心でした。玉木屋の詰合せに「あみ」「えび」「あさり」「かつお角煮」が並ぶのは、この系譜の上にあります。

もう一つの看板である座禅豆は、黒豆や大豆を醤油と砂糖で甘く煮た料理で、「ざぜん豆」とも呼ばれます。初代が禅僧から教わったという伝承は、この名前と結びついています。

店のある新橋は、明治から昭和にかけて花柳界が栄えた土地です。十代目は動画のなかで、新橋の芸者衆が座敷に上がる前に「声がよく出る」といって座禅豆の煮汁を分けてもらいに来た、という話を紹介しています。

名物と商品 — 何が看板か

秘伝のタレを継ぎ足しながら、国内の自社工場で製造しています。合成保存料や着色料は使っていません。

  • 佃煮:オリジナルブレンドの醤油を使った、キリッとコクのある江戸前の味。「あみ」「味道楽」「えび」「かつお角煮」「お茶漬けの友」「あさり」などの詰合せがあります
  • 白佃煮:出汁で炊いた、やわらかく薄味の佃煮
  • 座禅豆:創業当時から愛されている、黒豆を甘く煮たもの
  • 世界のふりかけ:イタリアントマト、グリーンカレー、四川風麻婆豆腐、焼肉カルビなど。先代(九代目)が自宅用のパスタソースをもとに遊び心でつくったイタリアントマトが出発点で、具の多さが特徴
  • 懐石茶漬け:鯛ごまだれなど。ゆず風味の出汁で香りを立てた一品
  • いちじくグラッセ:いちじくの甘露煮に、ワインに合うおしゃれなイメージを与えたいという発想から生まれた菓子
  • 秋刀魚ゲランド塩:フランス・ゲランド地方の天日塩を使い、頭から骨ごと食べられる。人気商品「秋刀魚の山椒煮」から発想した、十代目就任後の開発品

買う・訪ねる

本店は東京都港区新橋4-25-4、新虎通り(環状二号)沿い。電話は03-6450-1231です。営業時間は月曜〜金曜10:00〜18:30、土曜・祝日10:00〜18:00、定休日は日曜です。店内の飲食カウンター(3席)は月曜〜土曜・祝日11:00〜18:00、ラストオーダーは17:30です(2026年10月4日、公式サイトで確認)。

老舗フェスティバル2026は10月3日に開催されました

agataJapanが主催する「老舗フェスティバル2026」は、2026年10月3日(土)10:00〜18:00、東京・日本橋の福徳の森と仲通り周辺(東京都中央区日本橋室町2-5-10)で開催されました。全国の老舗と「ご当地」の生産者が集まり、奉納能や老舗サミット、名店コラボなどの企画が並びました。

2026年の開催は終了しています。当日の出展者や企画の詳細、次回の開催情報は老舗フェスティバル2026の特設ページでご覧いただけます。

100年続く老舗の品を、お取り寄せで

「老舗通販.net」は、3代100年以上続く老舗だけが参加する通販サイトです。2010年の開設以来、全国の老舗の品を扱ってきました。遠方でお店に足を運べない方も、ここから取り寄せられます。

老舗通販.net で老舗の品を探す(新橋玉木屋の商品ページ)

動画で見る日本の老舗

この回は、YouTubeチャンネル「日本の老舗」およびagataJapanが配信するご当主インタビュー番組「伝統はイノベーションの連続である」(CICライブ)の一本です。3代100年続いてきた老舗に、伝統と革新、家訓など普段あまり語られてこなかったことを聞く構成になっています。

ほかの老舗の回は、連載「動画で見る日本の老舗」の一覧からご覧いただけます。

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