昆布は北海道で採れます。それなのに、昆布加工の本場は大阪でした。乾いた昆布を湿気の多い大阪の倉庫で寝かせると、渋みが抜けて甘みが出る——この土地の気候そのものが、昆布の味を決める工程になっていたからです。
その大阪・難波で、嘉永元年(1848年)から昆布を商ってきたのがをぐら屋(小倉屋株式会社)です。法善寺横丁のそばに店を構え、塩昆布やとろろ昆布をつくり続けてきました。YouTubeチャンネル「日本の老舗」では、八代目当主の池上時治郎さんが語っています。(出典:小倉屋株式会社公式サイト「会社案内」、2026年10月2日確認)
動画とあわせて、大阪がなぜ昆布の町になったのか、そして「をぐら屋」という屋号がどう枝分かれしてきたのかを整理しました。
公開日:2022年8月14日/再生時間:49分50秒
動画の見どころ
- 大阪の昆布屋が、3代100年以上続いてきた秘訣
- 守ってきた味づくりと、時代に合わせて変えてきたこと
- 家訓や代替わりについて、普段あまり語られてこなかった話
- 八代目当主・池上時治郎さん自身の言葉で聞く、老舗の経営
- 昆布という一つの素材で商いを続けるということ
※この回の概要欄には章立てのタイムスタンプがないため、番組の趣旨にそって見どころを箇条書きで示しています。
をぐら屋とは——創業は何年で、何代目か
創業は嘉永元年(1848年)。初代は松原久右衛門です。その後、1897年(明治30年)に池上時三郎が独立して「戎橋筋小倉屋」を設立し、1903年には本家三代目の姉婿であった時三郎が四代目当主となりました。1950年に小倉屋株式会社として法人化しています。(出典:Wikipedia「小倉屋 (戎橋筋)」、2026年10月2日確認)
現在の当主は八代目・池上時治郎さん。公式サイトの会社案内には、2009年に就任したと記されています。屋号は「をぐら屋」「をぐら昆布」「戎橋筋小倉屋」「小倉屋戎橋」などの表記で使われてきました。(出典:小倉屋株式会社公式サイト「会社案内」、Wikipedia、2026年10月2日確認)
※大阪には「小倉屋」を名乗る昆布店が複数あります。本記事が扱うのは、老舗通販.netに出店し、動画に八代目・池上時治郎さんが登場する小倉屋株式会社(をぐら屋/大阪市中央区難波)です。(2026年10月2日確認)
なぜ大阪が昆布の町になったのか
江戸時代の中期から後期、蝦夷地(北海道)の開発が進むと、北前船による「昆布ロード」が整い、昆布が全国へ流通するようになります。当初は敦賀が唯一の中継地でしたが、弘化期に入って江戸や大坂へ広がり、とくに大坂では問屋が発展しました。(出典:Wikipedia「コンブ」、2026年10月2日確認)
決定的だったのは大阪の気候です。乾燥させた昆布を湿気の多い大阪の倉庫で寝かせておくと、熟成によって渋みが抜け、甘みが出てくる。産地から遠い土地が、かえって昆布の品質を上げる場所になったわけです。関西でだし昆布といえばおおむね真昆布で、その取扱量は国内の9割に及ぶとされます。(出典:同上)
加工品にも土地の由来があります。塩昆布は細目昆布を醤油で煮込んだもので、戦国時代の出陣式に供された縁起物に起源をたどる説があります。とろろ昆布は昆布の表面を薄く糸状に削ったもの、おぼろ昆布は帯状に薄く削ったもので、おぼろ昆布は堺の職人が乾燥昆布を甘酢に浸して削ることで創案したと伝えられます。(出典:同上)
汐冨貴、美名味——農林大臣賞を重ねてきた品
をぐら屋の代表的な品には『汐冨貴(しおふき)』『扇翁』『白尉』『殿上昆布』『佳肴』『美名味』が挙げられ、これらは複数回にわたって農林大臣賞を受けています。1955年から1995年にかけて「全国水産加工たべもの展」で受賞を重ねた記録が残っています。(出典:Wikipedia「小倉屋 (戎橋筋)」、2026年10月2日確認)
老舗通販.netで扱われているのは、天然真昆布、ふりかけとろろ昆布、「女将のこだわり昆布」シリーズ(はし大判汐冨貴、梅汐ふき、ふりかけ昆布冨貴)、磯かつお、なんち昆布茶、おふくろ味カレーなど。だしを取る昆布から、ご飯にかける昆布、お茶として飲む昆布までが一つの店に並んでいます。(2026年10月2日確認)
買う・訪ねる
- 老舗通販.netの商品ページ:をぐら屋(老舗通販.net)
- 公式サイト:小倉屋 大阪戎橋筋(こんぶのをぐら屋)
- 所在地:〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波1丁目6番12号/06-6211-0012
- エリアページ:大阪府の老舗
住所・電話は公式サイト「会社案内」の記載にもとづきます(2026年10月2日確認)。営業時間と定休日は公式サイトに記載がないため、来店前に店舗へご確認ください。
同じく昆布や佃煮、海の産物を扱う老舗の回としては、海老屋總本舗(東京・墨田区/若煮佃煮)や山本海苔店(東京・日本橋/味付け海苔)の記事もあわせてご覧ください。
老舗フェスティバル2026 by agataJapan
agataJapanでは毎年、日本が世界に誇る老舗の技術と文化に触れられるイベント「老舗フェスティバル by agataJapan」を開催しています。2026年は日本橋で開催します。
- 日時:2026年10月3日(土)10:00〜18:00(予定)
- 会場:福徳の森・仲通り周辺(東京都中央区日本橋室町2-5-10)
- 入場:無料(飲食・セミナーなどは別途費用)
- 内容:老舗・ご当地マルシェ、伝統工芸ワークショップ、全国の酒蔵による日本酒の飲み比べ、老舗サミット、ステージパフォーマンスほか
- 詳細:老舗フェスティバル2026 by agataJapan
- チケット・特設ページ:老舗通販.net 老舗フェスティバル2026特設ページ
会場に隣接する福徳神社は、古くから商売繁盛の祈願で親しまれてきた神社です。老舗の逸品を手に取りながら、日本橋の歴史と文化に親しむ一日をお過ごしください。
100年続く老舗の品を、お取り寄せで
「老舗通販.net」は、3代100年以上続く老舗だけが参加する通販サイトです。2010年の開設以来、全国の老舗の品を扱ってきました。遠方でお店に足を運べない方も、ここから取り寄せられます。
YouTubeチャンネル「日本の老舗」
この動画を公開しているYouTubeチャンネル「日本の老舗」では、3代100年以上続く老舗のご当主に、伝統と革新、家訓など普段あまり語られてこなかったことを聞くインタビュー番組「伝統はイノベーションの連続である」(CICライブ)を配信しています。ほかの回は動画で見る日本の老舗からご覧ください。
老舗のブランディング・販路開拓のご相談
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