どら焼きは、なぜ「どら焼き」と呼ばれるのか。打楽器の銅鑼(どら)に形が似ているから——そう説明されることが多い菓子です。その銅鑼の形をした焼き菓子「銅鑼焼」を生み出したのが、梅花亭の2代目だと伝えられています。
創業は嘉永3年(1850年)。江戸・大伝馬町で菓子司として店を開きました。現在は東京都中央区新川に本店を構え、小伝馬店と深川店をあわせた3店舗で営んでいます。商品はすべて本店の工場で、職人の手によってつくられています。
YouTubeチャンネル「日本の老舗」では、うすい皮が特徴のどら焼きと、菓子ごとに餡を変えるという徹底した仕事ぶりが紹介されています。動画とあわせて、170年以上にわたって「新しもの好き」を貫いてきたこの店の歩みを整理しました。
公開日:2024年3月7日/再生時間:11分24秒
動画の見どころ
- 一枚皮のうすい生地に餡がぎっしり——どら焼きの焼き上がりまで
- お菓子ごとに餡を変えるという考え方
- 大量生産せず、機械化もアウトソースもしないという選び方
- 初代から受け継がれてきた「新しもの好き」の気質
- 伝統的な製法を次の世代へどう伝えていくか
- 家族で店を継いできた歴史と、現在の体制
※この回の概要欄には章立てのタイムスタンプがないため、見どころを箇条書きで示しています。
梅花亭とは——創業は何年か
創業は嘉永3年(1850年)。初代は岐阜の出身で、徳川家康公の御用御金(札差し)として江戸に入府した家の流れをくみ、大伝馬町で「梅花亭」を名乗って菓子司を創業しました。札差とは、旗本・御家人の俸禄米を受け取って換金し、それを担保に金融も行った江戸の商人のことです。
現在の当主について、agataJapan.tokyoの「梅花亭 深川店」紹介ページでは、8代目ご当主(取締役)の望月実千さんが登場します。望月さんは長年イギリス系金融関係の仕事に就いていましたが、2016年にシンガポールから帰国し、高齢の母に代わって店を切り盛りするようになったといいます。「まったく別業種の仕事を経験してきたからこそ、この小さな店に立った時に、梅花亭ならではの良さが見えてきた」と語っています。(出典:agataJapan.tokyo「梅花亭 深川店」、2026年10月1日確認)
亜墨利加饅頭と銅鑼焼——初代と2代目が生んだ菓子
梅花亭の初代は、当時まだ珍しかった西洋菓子の手法をいち早く取り入れた人でした。嘉永6年(1853年)に創作した「亜墨利加(アメリカ)饅頭」は、西洋人のつくる焼き菓子をヒントに、パン釜で焼いた饅頭です。これが栗饅頭の祖と称されています。黒船来航の年に「アメリカ」を冠した菓子を売り出すあたりに、初代の気質がよく表れています。
2代目が生み出したのが銅鑼焼でした。銅鑼の形をした焼き菓子で、これがどら焼きのルーツとして知られています。6代目の中村達三郎は芸術に造詣が深く、昭和9年(1934年)にはもともと丸かった最中を、店の名にちなんだ梅の花の形に変えました。暖簾の文字も、菓子に添えるしおりの絵も、この6代目によるものです。佛蘭西(フランス)饅頭も6代目の創案です。(出典:梅花亭公式サイト、agataJapan.tokyo「梅花亭 深川店」、2026年10月1日確認)
創業から170年あまり、歴代が外から新しいものを取り込んできた——その積み重ねが、いまの品揃えになっています。
一度に9枚しか焼けないどら焼き
梅花亭のどら焼きは、生地の中に落とした餡玉を箸で掬い上げて銅板で焼き上げるという、独特のつくり方をします。だから一枚皮。二枚の生地で餡をはさむ一般的などら焼きとは、形も食感も違います。うすい皮のなかに餡がぎゅっと入った姿になります。
この方法では、一度に9枚しか焼けません。それでも手間と時間を惜しまずに一つひとつつくる、というのが店の選び方です。どら焼きは一時期つくるのをやめていたそうですが、復活を望む声に押されて平成10年(1998年)に再登場しました。少し温めてバターをのせる食べ方もすすめられています。
新川(霊岸島)と深川——二つの町
本店のある中央区新川は、江戸期には霊岸島(れいがんじま)と呼ばれた一帯です。隅田川の河口に近く、下り酒の荷揚げで栄えた商いの町でした。大伝馬町で創業した梅花亭が、後にこの地に本店を置いたことには、江戸の物流の中心に近いという土地柄が関わっています。
一方、深川店は成田山深川不動堂の仲見世通りに面しています。2021年12月、70年ぶりのリニューアルオープンを果たしました。旧店舗で使われていた瓦や木材を一つひとつ取り外して移設し、奥の喫茶スペースは片側の壁を全面鏡にすることで倍の広さに感じられるようにしてあります。瓦屋根が鏡に映り込み、二階建ての古い家屋が店の奥に建っているようにも見える——参拝帰りに立ち寄る楽しみのある店です。
何が名物か——どら焼きと梅もなか
- どら焼き……1個240円。どら焼き発祥の店として知られる一品。一枚皮の生地に餡がぎっしり。少し温めてバターをのせるのもおすすめ
- 梅もなか……1個180円。昭和9年に6代目が丸い形から梅の形に変えたもなか。餡は白こし餡、黒こし餡、つぶし餡の3種類
- 亜墨利加饅頭……嘉永6年に初代が創作した、パン釜で焼いた饅頭。栗饅頭の祖とされます
- 佛蘭西饅頭……6代目が創案した焼き菓子
- 切山椒・喜利羊肝(粟むし羊かん)……べったら市の時期限定の商品
- 焼き菓子詰め合わせ……老舗通販.netでは6個入から17個入までの詰め合わせを取り扱っています
※取り扱い商品と価格は時期によって変わります。最新の品揃えは老舗通販.netと公式サイトでご確認ください。(2026年10月1日確認)
買う・訪ねる
- 老舗通販.net:梅花亭の商品一覧(どら焼き・梅もなか・焼き菓子詰め合わせ)
- 本店:東京都中央区新川2-1-4(電話 03-3551-4660)/営業時間 月〜金 9:00〜17:00/定休日 土曜・日曜・祝日
- 深川店:東京都江東区富岡1-13-10(電話 03-3641-3528)/営業時間 10:00〜17:00/年中無休
- そのほかの店舗:小伝馬店
- 公式サイト:梅花亭
- agataJapan.tokyoの紹介ページ:梅花亭 深川店
- エリアで探す:東京都の老舗
※本店の営業情報は公式サイト、深川店の営業情報はagataJapan.tokyoの掲載内容です(2026年10月1日確認)。変更される場合があるため、お出かけ前にご確認ください。
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老舗フェスティバル2026で全国の老舗に会える
agataJapanでは毎年、日本が世界に誇る老舗の技術と文化に触れられるイベント「老舗フェスティバル by agataJapan」を開催しています。2026年は日本橋で開催します。
- 日時:2026年10月3日(土)10:00〜18:00(予定)
- 会場:福徳の森・仲通り周辺(東京都中央区日本橋室町2-5-10)
- 入場:無料(飲食・セミナーなどは別途費用)
- 内容:老舗・ご当地マルシェ、伝統工芸ワークショップ、全国の酒蔵による日本酒の飲み比べ、老舗サミット、ステージパフォーマンスほか
- 詳細:老舗フェスティバル2026 by agataJapan
- チケット・特設ページ:老舗通販.net 老舗フェスティバル2026特設ページ
会場に隣接する福徳神社は、古くから商売繁盛の祈願で親しまれてきた神社です。老舗の逸品を手に取りながら、日本橋の歴史と文化に親しむ一日をお過ごしください。
100年続く老舗の品を、お取り寄せで
「老舗通販.net」は、3代100年以上続く老舗だけが参加する通販サイトです。2010年の開設以来、全国の老舗の品を扱ってきました。遠方でお店に足を運べない方も、ここから取り寄せられます。
YouTubeチャンネル「日本の老舗」
この動画を公開しているYouTubeチャンネル「日本の老舗」では、創業100年を超える老舗の当主に、老舗を老舗たらしめる「五つの奥義」を語ってもらうインタビューシリーズを配信しています。ほかの回は動画で見る日本の老舗からご覧ください。
老舗のブランディング・販路開拓のご相談
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