東京・銀座8丁目の路地に、黒塀の木造家屋が残っています。竹葉亭(ちくようてい)は江戸時代末期に創業したうなぎ料理の老舗。前身は刀を預かる商いで、明治9年(1876年)の廃刀令をきっかけに、酒とうなぎを出す店へと姿を変えました。100年以上継ぎ足してきた秘伝のタレ、背開きにして蒸してから焼く江戸前の仕事、そしてうなぎと並ぶ名物の鯛茶漬け——八代目当主の別府晋さんが、店の来歴とこれからを語ります。
日本の老舗〜伝統はイノベーションの連続〜 竹葉亭 8代目ご当主 別府晋氏(CICライブ/YouTubeチャンネル「日本の老舗」)/再生時間:45分53秒/公開:2021年3月8日
動画の見どころ
この回は章立て(チャプター)が設定されていないため、話題の並びを目次の形に整理しました。
- 前身は刀預かり所。廃刀令で商いを変えた経緯
- 関東大震災で創業の店を焼失し、大正14年に銀座へ移った話
- 100年以上継ぎ足してきたタレと、変えずに守るもの
- うなぎと並ぶ名物鯛茶漬けが生まれた背景
- 暖簾を分けて関西・名古屋へ広がった店の広がり方
- 八代目として、何を受け継ぎ何を変えるのか
竹葉亭の創業はいつか
竹葉亭の創業は江戸時代末期です。公式サイトは「江戸末期に東京あさり海岸(今の新富町)で創業」と記しています。具体的な創業年を明示した一次資料は確認できませんでした(2026年10月6日確認)。そのため本記事では「江戸末期創業」と記しています。
前身は刀預かり所でした。店に入る客が帯びた刀を預かる商いです。明治9年(1876年)の廃刀令で刀を帯びる人がいなくなり、商いの土台そのものが消えます。そこで始めたのが、酒とうなぎの蒲焼を出す店でした。業種を変えて生き延びた——老舗の歴史としては、めずらしいほど分かりやすい転換です。
創業当時の店は関東大震災(1923年)で焼失し、大正14年(1925年)に現在の銀座8丁目へ移りました。昭和の初めには関西へも出店し、いまはリーガロイヤルホテル店・南御堂店・なんば店・西宮店・名古屋店などに暖簾が広がっています(公式サイト・2026年10月6日確認)。
江戸前のうなぎは、なぜ蒸すのか
竹葉亭のうなぎは、背から裂いて開き、串を打ち、よく蒸したあとにタレをつけて焼き上げます。これは江戸の蒲焼の作法です。江戸では背開き、関西では腹開きにするのが一般的で、「武士の町では腹を切るのを避けた」という俗説も語られますが、確かな由来とは言えません。蒸す工程を入れるのは、江戸のうなぎが脂の乗った大ぶりのものだったため、余分な脂を落として身をふっくらさせる狙いがあるとされます。
タレは100年以上にわたって継ぎ足されてきたものです。すっきりした口当たりで、焼いたうなぎの香ばしさを邪魔しない——この味の設計が評判を呼び、平成20年(2008年)に日本で初めて刊行された『ミシュランガイド東京2008』では、うなぎ屋で唯一の一つ星を獲得しました。
何が名物か——うなぎ丼と鯛茶漬け
いちばん人気はうなぎ丼。お吸い物とお新香が付き、うなぎの大きさで「うなぎ丼A(2,970円)」「うなぎ丼B(3,520円)」の2種類から選べます(agataJapanの老舗ページ記載・価格は変わることがあります)。
もう一つの名物が鯛茶漬けです。うなぎ屋でありながら、これを目当てに通う客がいるほどの人気で、文学作品に登場する店としても知られてきました。夏目漱石の『吾輩は猫である』をはじめ、数々の作品に名前が出てくる店だと、agataJapanの老舗ページ「竹葉亭 本店」は紹介しています。
離れには座敷の個室があり、接待や記念日にも使われています。
店を訪ねる
- 住所:東京都中央区銀座8-14-7
- 電話:03-3542-0789
- 営業時間:11:30〜15:30(L.O.14:30)/16:30〜21:30(L.O.20:00)
- 定休日:日曜・祝日
- 公式サイト:竹葉亭
※営業情報はagataJapanの老舗ページの記載によります(2026年10月6日確認)。公式サイトには本店の営業時間・定休日の掲載がないため、来店前に店舗へご確認ください。
なお、竹葉亭は老舗通販.netには出店していません(2026年10月6日確認)。うなぎは店で味わう料理です。
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チャンネル「日本の老舗」について
この動画は、YouTubeチャンネル「日本の老舗」で公開している当主インタビュー番組「伝統はイノベーションの連続である」(CICライブシリーズ)の一本です。3代100年続いてきた秘訣を、当主ご本人の言葉で聞く番組です。ほかの回は連載「動画で見る日本の老舗」からご覧ください。
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