吉野屋商店

創業安政元年(1854年)

江戸の美意識「江戸提灯」で心にもあかりを

17世紀の中ごろに生まれた、手提げ提灯。竹と紙でできているため軽量で、畳むこともできるポータブルな灯りとして重宝されました。今でこそ携帯型照明としての用は他に譲りましたが、提灯は、神社仏閣の他、日本料理店の軒先、伝統芸能の舞台や劇場などで活躍中です。そんな提灯を、150年以上の時を越えて作り続けているのが吉野屋商店です。江戸のいなせの象徴でもある神田祭で、各町会の神輿を彩るのも吉野屋商店の提灯です。注文に応じた文字や紋を提灯に手描きで入れていくという江戸提灯ならではの技術は、東京ではここにしか残っていません。下書きもなしに文字を描き入れていく様は、まさに熟練のなせる技。どんな書体のリクエストでもたいてい書けるそうですが、「吉野屋商店」の特徴的な書体は、遠くからでも読みやすいよう整えられた、すっきりと勢いのある「江戸文字」です。また提灯は、見上げた時に文字が均等に見えるよう、あえて上下のバランスを歪ませて描くというこだわりも。

建て替えられた歌舞伎座の地下に設けられた「木挽町広場」で、空間の祝祭感を盛り上げるために採用されたのもやはり「吉野屋商店」の提灯でした。風格ある鳳凰の紋が描かれた大提灯を作る際はアトリエの天井に提灯を吊り下げ、ぶんまわしと呼ばれる和製コンパスであたりをとって意匠をあしらったそうです。
「道具としては新しい道具に譲った役割も多いけれども、提灯には文化的な意義があると感じます」とは、7代目ご当主・吉野喜一さんの長女である由衣子さん。神社仏閣、商店、個人のお客様、どんなオーダーであっても、お客様のご注文通り、いかようにでも仕上げられることを旨としているそうです。

沿革

安政元年(1854年)に現在の場所で提灯・装飾品の卸問屋「吉野屋商店」として暖簾を掲げました。古くは祝勝祝いの提灯行列や花電車、立太子礼といった祝い事の提灯、今でも全国各地の祭礼提灯、盆提灯、業務用提灯などあらゆる手書き提灯(江戸提灯)を制作しています。

より身近な存在として文化的な役割を果たしたい

提灯は主役ではなく、主役を引き立てるもの。お客様のご希望にお応えしていくのが私どもの本分だと思っています。行事や祭事に欠かせない提灯ではありますが、もっと生活の中で身近な存在であってほしいという想いから、キャラクターを描いたアニメ提灯のような企画や、千代田区と提携して行う子ども向けのワークショップなども積極的に取り組んでいます。

注目のこの逸品

中太弓張

15,000円〜

直径13cm高さ50cmほどの円筒型の提灯は、弓と呼ばれるフックが付いていて、祭礼や贈答品として親しまれています。職人による手書きで名入れすることで、唯一無二の提灯に。藤巻と呼ばれる取っ手やろうそく型のLEDライトなどのオプションも選べます。

左)3号ミニ、(右)1号ミニ

3号ミニ3,500円〜、1号ミニ2,500円〜

小型の提灯「3号ミニ」(直径12cm高さ26.5cm)は赤ちゃんのお七夜に名前を入れてお祝いにしたり、初節句のお飾りや、記念撮影の際に携えるなど長く楽しめます。手のひらサイズの「1号ミニ」(直径7.5cm高さ17.5cm)は名入れしてパーティの席で席札代わりに。お帰りの際はそのままお土産にもなります。数にもよりますが、注文後1〜3週間ほどの納品が目安です

スポット概要

住所東京都千代田区神田佐久間町2−13
電話03−3866−2935
営業時間10:00〜17:00
定休日土・日・祝
支払い方法現金
外部リンク公式ホームページ
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